「事故の風化より子どもが風化しちゃうのが怖いんですよ」ひき逃げ事件で息子亡くした父親 被告への憤りと葛藤…判決を前に遺族の思い
■何で戻ってきて、また逃げたのか… 当時の実況見分では70メートル先の路上に置いたマネキンに5メートルずつ近づき、横井被告がどの時点でマネキンを認識できるか確かめました。 そこで横井被告は、マネキンが「見えない」と主張した一方標識や、横断歩道がこの先にあることを示す路上のダイヤマークは「見える」と話したといいます。 実況見分を担当した男性警察官は証人尋問で「自分の目で明らかに見えるものが『見えない』と言うことに、不合理だと感じました」と話しました。 また横井被告は事故後、一度は現場に戻りましたが、翔向さんを発見した通行人に声をかけられその後、再び立ち去ったとされています。 山田倫さん「何で戻ってきて、チャンスだったのにそこでまた逃げたんだろうとか。何回でもチャンスだったと思うんですよ。後日、報道で知ったんであれば、本当か嘘かは置いといて、出頭するっていう選択肢だってあったんですよ」 ■事故を起こして『道を間違えなければ』… 中でも、倫さんが一番憤りを感じたのが… 山田倫さん「『道を間違えなければよかった』という発言があって、あれは私ちょっとショックでした」 横井被告は、現場となった交差点には間違えて進入したとしてそこを通らなければよかったと話しました。 山田倫さん「ダイヤのマークがあることも知ってたし、横断歩道があることも知ってたって言ってるんで。それで、通ったことある道で、事故を起こして『道を間違えなければよかった』全然わからない」 あの日から倫さんは深い喪失感に苦しめられています。 山田倫さん「この1年、ほんと息子がいない初めてのマルマルばっかりでしたからね。息子がいない初めてのクリスマスだとか。息子がいない初めての正月だとか」 苦悩の日々を過ごす倫さんですが大切にしている品があるといいます。 翔向さんが好きだったというおさるのジョージ。 その人形が、翔向さんが生前、愛用してた服やピアスを身に着けています。
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