ポイント獲得率と完走率でトップ! “ホンダカップ”の中で見えてきた中上貴晶の真価
ホンダ陣営の中で最上位になった回数を比べるとザルコの7回が最多で、中上は4回で2位。後はミル3回、マリーニ1回の順になっており、ランキング通り、2番目に貢献しているライダーと評価することができるだろう。
安定感抜群も爆発力で埋没する2024年シーズン
安定感抜群だが、爆発力の面でやや物足りないのが今シーズンの中上だ。ザルコの決勝レース最高位が9位なのに対し、中上とミルは11位、マリーニは12位と水を開けられている。9位まで入賞のスプリントレースでもザルコとミルは1回ずつポイントを獲っているが、中上とマリーニは1回もない。
レースの平均順位も日曜の決勝が14.3位で2番目、土曜のスプリントが16.4位で3番目と少し埋没してしまっている印象だ。 一発の速さが問われる予選の平均順位はザルコの15.7位、ミルの19.3位、マリーニの20.2位に対し、20.5位。予選最高位でもザルコの7位、マリーニの15位、ミルの16位に及ばない17位といずれも4番目。予選最上位になった回数も1回だけだ。ちなみに金曜午後のプラクティスで上位10名に入ったライダー+予選Q1の上位2名が進める予選Q2へのホンダライダーの進出は、ザルコの2回のみとなっている。 ウォームアップ走行で快走を見せることもあり、単独走行の速さには定評がある中上。予選上位にも食い込みたいところだ。
予選・決勝ともトップのザルコが最大のライバル
次に中上から見たライダーごとの対戦成績を見ていこう。なお、片方がリタイアした場合は完走したライダーの勝ち、双方がリタイアした場合は引き分けとして計算している。
ミルに対しては、予選4勝10敗(※1)、スプリントレース8勝5敗1分、決勝レース8勝4敗2分。スピードこそ負けているが、本番のレースでは完走率の高さを生かし、ダブルスコアに近い結果を収めた。 対マリーニは、予選8勝7敗、スプリントレース10勝5敗、決勝レース11勝3敗(※2)。MotoGPでのキャリア、RC213Vへの適応力で差を付けた。 分が悪いのはザルコで、予選1勝14敗、スプリントレース4勝10敗1分、決勝レース6勝8敗1分といずれも負け越し。予選・スプリント・決勝全てで陣営トップの座を奪われているだけに、最古参のホンダライダーとして一矢報いたい。