ナイジェリアの女子生徒たちはどうなったのか?
西アフリカに位置するナイジェリアで4月14日、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が女子学校を襲い、200人超の女子生徒たちを連れ去った事件から間もなく3か月。当初は、衝撃的なニュースとして多くのメディアに取り上げられたが、このところ動静はあまり聞かれない。この事件は現在、どうなっているのだろか? 外務省によると、この事件は4月14日、ナイジェリア北東部のボルノ州チクボ地区で発生。イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が女子学校を襲撃、多数の女子生徒を連れ去った。州警察の発表によると、連れ去られたのは276人の生徒。このうち53名は脱出したものの,223人が行方不明となっているという。 その後、情報は錯綜している。国内外のメディアは、7月4日にボコ・ハラムに拉致されていた女性約60人が脱出に成功した、と報じた。しかし、この女性たちは4月に連れ去られた女子生徒たちとは別の人たち。ボコ・ハラムは、女性の拉致を繰り返していると見られる。 ブルームバーグの報道によると、「ナイジェリア軍は5月に女子生徒たちの居場所をつかみ、6月には拉致に関与したボコ・ハラムの下部組織のリーダーを逮捕した」と発表。ところが、「偵察機を派遣し救出活動を支援している米国は、人質たちの居場所は今も不明のままだ」と発表している。どちらが本当なのか現状では分からない。いずれにしても、女子生徒たちの安否確認について、はかばかしい進展がないのだけは確かだ。 日本政府も、この問題の支援に乗り出している。外務省によると、6月13日、ナイジェリアのために85万5000ドル(約8300万円)の緊急無償資金協力を実施することを決定。この資金は、国連児童基金(UNICEF)、国際労働機関(ILO)、国連人口基金(UNFPA)などに送られ、被害を受けたボルノ州チボク地区のコミュニティーで、女性への暴力からの保護対応・心理社会的サポート・保健・医療などの分野で役立てられているという。