ナイジェリアの女子生徒たちはどうなったのか?
この事件に新たな動きや情報はないのか?外務省アフリカ第一課に問い合わせると、担当者は「今後の事件の推移については、各国と意見交換しながら情報収集しています。いろんな情報が入り乱れていますが、我々としても報道で出ている情報以上のものは裏が取れないので、申し上げることはありません」と言葉少なに語った。 痛ましいのは、「ナイジェリアからは毎日のように、テロで人が死亡したとの情報が我々のもとに入っています」という話だ。たまたま今回の女子生徒の事件はセンセーショナルに報道され、SNSなどでも広まったこともあり、世界的に注目を集めている。が、ボコ・ハラムが引き起こしている事件はこの他にも無数にある。最近も、サッカーW杯の観戦会場やショッピングモールでの爆破テロ事件などが報道されている。 世界有数の人権NGOアムネスティ・インターナショナルの日本支部「アムネスティ日本」(東京都千代田区)は5月9日~6月20日、「ナイジェリア政府は少女らを救出するための具体的な行動を起こしていない」として、少女たちの早期救出に努めるよう署名活動を展開。1578人分の署名を、在日本のナイジェリア大使館に届けた。しかし、その後、大使館側から何のリアクションもないという。アムネスティ日本の担当者は「署名活動を行ったりすると、他国のケースなら大使館の方が来られるなど、何らかの反応あるのですが…」と首をひねる。 ナイジェリア在住の輸出入業・石野香有さんがニュースサイト「ハフィントンポスト日本版」に書いた記事によると、ボコ・ハラムは、イスラム系の政治家の出資を受ける組織だと、何度も報じられている。ナイジェリアはクリスチャンとイスラム系の対立が根深く、今回の女子生徒の拉致事件も事実ではない「政治的プロパガンダだ」という主張も少なからずあるらしい。真相はどうあれ、この事件は一筋縄では解決できない根深さがありそうだ。 (文責・坂本宗之祐)