「薬を飲み忘れてしまったらどうしたらいいですか?」薬剤師が回答
薬を飲み忘れてしまったらどうする? 薬の種類で対応策が変わる?
編集部: 薬を飲み忘れてしまったら、忘れた分も後から必ず服用した方がいいですか? 小泉さん: 一般的な対応として、飲み忘れに気付いたタイミングが次回服用まで時間が空くのであればその場で服用し、次回分も服用していただいて問題ありません。ただし、気づいたタイミングが次回の服用時間と近いあるいは同時に飲まなければいけない場合は、忘れた分を飲まずに次回分のみを服用するようにしましょう。 編集部: 何時間空けたら次の分を服用していいですか? 小泉さん: 基本的には、1日3回の薬の場合は6時間程度、1日2回の薬は12時間程度を目安として空ければ次回分を服用可能です。ただし、こちらの時間はあくまで目安となりますので、薬の種類によってはもう少し時間をおいてから服用をしていただく必要があるものもございます。 編集部: 薬の飲み忘れに対する対応は薬の種類によって変わりますか? 小泉さん: 変わります。効果が似た薬であっても、薬ごとに効き目が現れるまでの時間や効果が続いている時間に差があり、薬の特徴や患者さんの症状によっておすすめされる対応はそれぞれ変わります。飲み忘れの対応を正しく行わなければ、適切な効果が得られないだけではなく副作用が出てしまう場合もありますので、判断が難しい場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
薬を飲み忘れないようにするための工夫はありますか?
編集部: 毎日同じ時間に忘れずに薬を飲めるようにするための工夫はありますか? 小泉さん: 生活リズムに合わせて、毎日の行動と薬の服用を結びつけることが効果的です。食後服用の薬が多い理由は、食事と薬の服用の習慣を結びつけることで飲み忘れを防止する目的もあります。薬の服用時間にアラームを設定するのも良い方法です。また、薬局でお薬を曜日や時間ごとにセットできるカレンダーをお渡しするところもあります。 編集部: 外出時や旅行時に薬を飲み忘れないための良い方法はありますか? 小泉さん: 携帯用のピルケースを使用し、数日分の薬をあらかじめ準備しておくと便利です。自宅での保管分とは別で外出用に常にカバンに入れておいても良いでしょう。また、旅行前にあらかじめスマートフォンのアプリでリマインダーを設定することもおすすめです。 編集部: たくさんの種類の薬を服用している場合のおすすめの管理方法はありますか? 小泉さん: ピルケースやお薬カレンダーにあらかじめ薬をセットしておくと、毎回の服用時に管理がしやすくなります。また、 通常はシートの状態でお渡ししてご自身で飲む分を出して飲んでいただくことが多いですが、一度に飲む量が多く、管理が大変な場合は薬局で一回服用分ごとにあらかじめ小さい袋にまとめて入れる一包化という方法で準備をしてお渡しすることも可能です。ぜひ、かかりつけの薬局でご相談ください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小泉さん: 薬の服用時間は、薬の特徴や症状にあわせて最適なタイミングに設定されています。ただ、忙しい毎日の中で飲み忘れてしまうこともあるかと思います。なるべく飲み忘れが出ないように、その人にあった方法を薬剤師が一緒に考えていくこともできますので、いつでもお気軽にかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。