「AQUOS sense9」の“撮り心地”はどう? 「AQUOS R9」と比較する 魅力はペットと人物を切り替えるポートレート
「AQUOS R9」が出たとき、そのデザインに賛否両論あった気がするのだけど、個人的にはカメラ回りがちょっと東洋風で好きだったのである。 【写真】AQUOS sense9で撮影したガスタンク その後、「AQUOS wish4」「AQUOS sense9」と、上から下まで同じデザインコンセプトのAQUOSスマートフォンがそろったけど、こうして見ると新しいカメラ部のデザインが一番しっくりくるのはsense9なのだと断言したい。 見た目は「R9の兄弟」、というか弟分なのだが、並べてみるとsense9の方がこのデザインが似合っている。 sense9の方が全体にコンパクトでボディーの角が丸く、カメラ部の曲線のバランスがいいからじゃないかと思う。 ともあれ、この2台はカメラ部のデザインは同じだし、「超広角」と「広角」というデュアルカメラの構成も同じだけど、ライカ(Leica)のロゴが入っているのはR9だけ、っていう違いがある。ちょいと比べながらsense9のカメラを見てみたい。
意外と「画作り」に違いがあるsense 9とR9
アウト側のメイン(広角)カメラは、どちらも1/1.55型で約5030万画素のセンサー。レンズは23mm相当でF1.9だ。少なくともスペック上は、上位モデルのR9もスタンダード(ミドルレンジ)モデルたるsense9も同じ。 「じゃあ、写りも一緒かな?」かというと、微妙に違うのが面白いのである。 とりあえず、sense9で撮ったガスタンクをどうぞ。 微妙に違うでしょ? 全体の傾向として、R9の方がライカ成分(って言い方はどうかと思うけど)が強いせいか、写りはあっさりめでカメラっぽい。対して、sense9の方は写りがこってりめでシャープのスマホっぽい(ケータイの時代から、シャープには彩度高めのイメージがある)。 ディテールをみるとAQUOS sense9の方がシャープなのには驚いたが、sense9の方が全体にくっきりめの画作りのせいか、個体差なのか。 続いて、超広角カメラ。13mm相当でF2.2。これも、どちらも約5030万画素センサーを使っていて、額面上のスペック上は同一となる。 撮ってみると、メインカメラと写りの傾向は同じ。sense9の方は「こってり硬め」って感じだ(ラーメン的表現)。 「2x(2倍)」で撮ったやつも載せておく。 なお、sense9には設定で「ナチュラル」と「ダイナミック」を選べるようになった。ダイナミックで撮るとちょっとこってり感が増すが、極端に変わるわけじゃないので、ナチュラルのままで十分だと思う。 では室内で撮ってみよう。まず料理。 見事ですな。 でも、特定の条件において、AQUOS R9には撮れて、AQUOS sense9ではうまく撮れないケースがある。ちょっとわざとらしいけど、撮りたいアングルでスマホの影が落ちちゃうことがあるのだ。 まずsense 9から。こんな感じ。 一方、 R9には「料理の影を消す」という機能があって、それを使うと見事に影が消えてくれました。 「sense9にもこの機能があればいいのに……」と思うけど、その辺は基本性能(SoCの性能とか)の差があるのだろう。残念。 他にもいろいろ撮ってみた。スタンダードスマホとしては、写りは安定していていい感じ。 夜もいい感じでありました。 AQUOS R9と比べて、加わった機能といえばマクロ撮影である。 超広角カメラが超近接撮影に強いことを利用し、至近距離になるとカメラを切り替えて撮影するマクロモードは昨今のハイエンド機のトレンドになっている。AQUOSも、sense9(や「AQUOS R9 Pro」)で対応したのだ。 ある程度以上近づくと「マクロ撮影に切替」という表示が出て、そこをタップするか、画面上部にあるマクロアイコンをタップするとマクロモードに切り替わる。 そして、ぐぐっと寄った写真を撮れるのである。 実際、R9とsense9を使い比べるとレスポンスの差はどうしても気になる。 今のスマホは、シャッターを押してから内部であれこれ処理をして画を作るわけだが、その過程でレスポンスに差が生じる。1枚撮って次の撮影が可能になるまでの時間は、わずかなのだけどR9の方が速い。サクサク撮れる感じ。一方、sense9はちょっとだけ間が空くイメージだ。 AQUOSに限らずハイエンド機とスタンダード機の差ですな。