JR東海、リニア27年開業断念 官民から早期開業望む声 小異捨て大同に
静岡県の川勝知事は29日午後、記者団に「リニアの整備促進と自然環境保全の両立に向け、JRとの対話をできる限り速やかに進めていく」とのコメントを出した。 再開発に影響も 同日、中部国際空港の利用促進に関する会見に出席した中部経済連合会の水野明久会長は「(リニア開業は)地域の活性化に大きな影響を与える。引き続きサポートしていきたい」と早期開業に期待を寄せた。名古屋商工会議所の内田吉彦専務理事は「地域では都市開発などの準備を進めているため、少し残念だが、一日でも早い開業をぜひとも目指してほしい」と語った。 一方で、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋(名古屋市中区)の矢澤宏幸宿泊部長は「想定していたことなので、驚きはない」と冷静に受け止める。名古屋駅地区のホテルの担当者も「特需として見込んでいない。往来が増える一方、日帰りが増えて宿泊が減る可能性もあり、好影響ばかりではない」と指摘する。
OKB総研調査部の中村紘子上席研究員は「当地域では27年を一つの目標にしている再開発や企業投資が多い。27年にリニアが開業できなくなったことで、これらの再開発や投資の中で期待通りの時期からの効果が得られなくなる可能性がある」と指摘している。