「やりたいことをやる人生」に隠された落とし穴 成功者が語りたがらない1つの「重要な真実」
けんすう:自分をたまに痛めつけないと不安になっちゃうのか。 箕輪:そうなんです。その点、けんすうさんは、まじめにコツコツタイプですよね。もう働かなくてもいいくらい資産があるはずなのに、ちゃんと事業を続けていたり、毎日欠かさずnoteを書いたり、すごいですよ。 ■「やりたいことやろう」否定派です けんすう:世の中には、「やりたいことやろう」という論調もありますけど、僕たちはちょっと違いますよね。箕輪さんもやりたいことばっかりやっているように見えるけど、今も話してくれたみたいに、単純にそうしているわけではない気がする。
『THINK FUTURE「未来」から逆算する生き方』には、「やりたいこと」と「やるべきこと」のカップリングが自己成長につながる、というようなことも書かれていて、たしかにそうだなと思う反面、僕は「やりたいことやろう」否定派なんです。 箕輪:へえ、そうなんだ。 けんすう:否定というか、何かを「やる」前に、それが「やりたいこと」だと気づいているというのが、そもそも困難だろうと思ってるんです。 最初から「やりたいこと」だと認識していることを「やる」のではなくて、何かを5年ぐらいやって初めて「けっこう好きかも」「楽しいかも」「向いているかも」と気づいて、だから「やる」「やり続ける」っていう順序ではないかと。最初から「やりたいことをやる」って考えていると、こういう「やってみたら楽しかった」みたいな可能性がなくなっちゃうので、やっぱり若いうちは「やるべきこと」「求められていること」を超がんばってやるのがいいと思います。
箕輪:ああ、それならわかりますね。堀江(貴文)さんとか僕とか、「やりたいことやろうぜ」っていう人たちがいますけど、ここには実はすごく重大な落とし穴がある。それは、「やりたくないけどやらなくちゃいけないことを、過去にマジでやってきた」という記憶が抜け落ちていることなんです。 たとえば僕なんかは、新卒で入った最初の出版社では当然、外線電話を取っていたし、キーボードがあまり打てないのに上司のために資料をつくっていました。だけど基本、そういうことを忘れているから、人前で話すときには「やりたいことしかやってません」なんて話をしちゃうんですよ。それで、聞いている人たちに「自分もそうしよう」みたいに思わせちゃうところがあるから、気をつけてねって言いたい(笑)。