テレビ局がとんでもない宣伝費を投じ、大々的に打ち出した映画が大ゴケする今、正解は何? 西野亮廣によるマーケティング論。「よく見かける=接触回数」よりも、「思い入れがある=接触時間」の方が、お客さんの足を動かせる!
なるべく卵やヒヨコの段階から出来事を共有していって…
話はうって変わって、現在、2025年の夏に上演するファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の密着ドキュメンタリーをYouTubeで毎週金曜日に配信しています。 この密着ドキュメンタリーは劇場に足を運んでもらうことを目的としたプロモーション動画なのですが、ここでもやっぱり「思い入れ」がモノを言うと思いました。 よっぽどの演劇ファンじゃないと、「思い入れがないミュージカル」には、なかなか足を運ばない…というのが僕達の結論です。 なので、なるべく卵やヒヨコの段階から出来事を共有していって、お客さんと共に過ごす時間を延ばして延ばして延ばします。 もちろん業界の中には、「そういう裏側は見せるもんじゃない!」という方もいらっしゃるのですが、それはもうその方のやり方なので、御一緒することは諦めて、僕は「思い入れ作り」に励みます。
クラウドファンディングを立ち上げました!
そんなこんなで、先日、あらたにクラウドファンディングの企画を1つ立ち上げました。 ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』で使用する楽曲(仮歌)を、公演の半年以上前にYouTubeにアップする費用を集めるクラウドファンディングです。 やっぱ、一般的な感覚でいうと「知らない曲が続くミュージカル」はツライし、YouTubeにあげた楽曲が、どこかの誰かの来年の夏までのBGMとして使われたら、どこかの誰かは、その曲に「思い入れ」が生まれるでしょう。 そんな仕掛けが今求められている気がします。 西野亮廣/Akihiro Nishino 1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。
TEXT=西野亮廣