子どものいない兄が「死亡後に1000万円をどこかの団体に寄附したい」と言います。実現した場合、税金はどうなるのでしょうか?
相続財産による寄付は相続税の対象になる
遺産の相続人に寄付について伝えておき、相続人が寄付を行う「相続財産による寄付」も遺贈寄付に該当します。遺言による寄付と同様に、寄付先の団体へ事前に連絡する必要があることを相続人に伝えておかなければなりません。 相続財産による寄付は遺言による寄付と異なり、一時的に個人に相続されることになるため、原則として相続税が課せられます。 ただし、国税庁によると「相続や遺贈によって取得した財産を、相続税の申告期限までに、国、地方公共団体、公益を目的とする事業を行う特定の法人または認定非営利活動法人(認定NPO法人)に寄付した場合や特定の公益信託の信託財産とするために支出した場合は、その寄付をした財産や支出した金銭は相続税の対象としない」という特例があります。
寄付金控除を受けて節税しよう
寄付金控除とは、特定寄付金を支出した場合に受けられる所得控除のことです。特定寄付金には、国や地方公共団体、特定の公益団体、認定NPO法人への寄付金などが該当します。 遺言による寄付の場合は、相続人による準確定申告をもって所得税の寄付金控除が適用されます。相続財産による寄付の場合は、相続税の申告期限までに上記の団体に寄付することで寄付金控除を適用可能です。
寄付金控除を受けるための寄付先選び
相続財産による寄付で寄付金控除を受けるためには、国や地方公共団体、特定の公益法人、認定NPO法人に寄付する必要があります。このような団体に寄付した場合は、寄付した財産が相続税の対象外となります。遺贈寄付をするうえで節税を意識したい方は、控除が受けられる寄付先であるかどうかを確認しておきましょう。 出典 国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) 国税庁 No.4141 相続財産を公益法人などに寄附したとき 国税庁 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー 監修:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部