維新・前原誠司共同代表 国民民主との共闘可能性示す 年収の壁と教育無償化「てんびんにかけられるつもりはない」
日本維新の会の前原誠司共同代表(62)が19日、国会内での定例会見で「我々は国民民主党の年収の壁引き上げについて大賛成。それを邪魔するつもりは毛頭ない。そういうご懸念があるのであれば、国民民主と協力して、両方とも実現するために共に取り組んでいきたい」と述べ、「年収103万円の壁」引き上げを自民、公明両党に求める国民民主党と共闘する可能性を示した。 【写真】代表選を終えノーサイドを強調した玉木雄一郎氏と前原誠司氏だったが、その後… 年収103万円を超えると所得税が課されるいわゆる「年収103万円の壁」の見直しについて自民、公明と国民民主の3党協議が決裂。一方、教育無償化の実現に向けた維新と自公の協議が始まった。 国民民主の玉木雄一郎代表(55=役職停止中)は18日、Xで「財務省の戦略」「国民民主、維新、立民で予算に対する影響が最も『安上がり』の政党と握る」「維新と握る算段がついた」と投稿し、2025年度予算案への賛成を条件とした〝密約〟を指摘。維新の吉村洋文代表(49)は、玉木氏のポストを引用し「玉木さん、我々は何も握っていません」と否定し、協議を呼びかけるなど空中戦を繰り広げている。 前原氏は、自民が維新、国民民主をてんびんにかけているとの報道に触れ「てんびんにかけるという表現があったが、てんびんにかけられるつもりは全くない」と〝両てんびん〟ではないとした。「今の現状で、野党も果たすべき役割がある。我々は教育の無償化、国民民主は年収の壁。国民のために実現させるということで、自公と話し合いされているし、我々も始める。あれかこれかの話ではない」と強調した。 さらに「両方(年収の壁、教育無償化)とも実現するために、国民民主と連携をするということは大事なこと。我々は教育無償化については(自公との)3党協議で努力をしてまいりますが、教育無償化と年収の壁引き上げの共闘が必要な状況になれば、我々はその用意がある」と述べた。 玉木氏が指摘する〝密約〟に対して「我々は予算の賛成を前提に、話をしているのではない。始めから『予算に賛成しませんよ、だけども政策協議に応じてください』と言っても、自公にとっても何のインセンティブにもならない。最終的に、総合的に判断するということ」と真っ向否定した。 前原氏は、2023年11月に国民民主を離党し、除名処分になった。「我々は国民全体に対して、責任を負うということで議席をいただき、活動している。議員の過去の経緯とか、そういったことを超越して、本当に国民が求めていくことについて協力をするということは当たり前。呼びかけをすれば、ご理解をいただけるのではないか」と、連携へ人間関係のしこりはないとした。 与党にとっては、維新か国民民主のどちらかを取り込むことで過半数を超える。国民民主との関係性づくりの難しさを問われ「やってみなわからんですよね。こればっかりは。少数与党は28年ぶり。新たな未開の土地を歩くような話」と戸惑いも見せた。「国民、国益のため、どう振る舞うのかということを執行部でしっかりと話をしたい」と力を込めた。 (よろず~ニュース・杉田 康人)
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