ロシア、北朝鮮との「戦略条約」を批准 プーチン氏が署名 事実上の軍事同盟化
ロシアのプーチン大統領は9日、北朝鮮との安全保障協力の拡大などを定めた「露朝包括的戦略パートナーシップ条約」をロシアが批准するとする法案に署名した。条約は、一方の国が武力攻撃を受けた場合に他方の国が軍事支援を行うことなどを規定。露朝両国は事実上の軍事同盟を結ぶ形となる。条約は両国による批准書の交換を経て発効する。期間は無期限。 【画像】ウクライナが公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面 条約は武力紛争発生時の相互支援のほか、一方の国が他方の国に不利益を与える協定を第三国と結ばないことなどを定めている。プーチン氏は7日、条約に基づき露朝が合同軍事演習を行う可能性を排除しなかった。 条約はプーチン氏が6月に訪朝した際、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と締結で合意。プーチン氏は10月14日、ロシアが条約を批准すると定める法案を下院に提出した。上下両院は今月6日までに法案を可決していた。 ウクライナ侵略を続けるロシアに北朝鮮軍が派兵され、ウクライナ軍の越境攻撃を受ける露西部クルスク州に投入されたとされるのも、この条約の規定に基づくものだとみられている。ロシアは越境攻撃を「侵略」だと主張している。 条約が発効した時点で、2000年に露朝間で締結され、軍事協力条項を持たない露朝友好善隣協力条約は失効する。(小野田雄一)