【陸上】世界リレー代表にサニブラウンらが選出、男子マイル4人目に意欲の西裕大「前半のスピードは海外選手に劣らない」
5月4日(土)~5日(日)にナッソー(バハマ)で行われる世界リレーの日本代表メンバーが発表された。 世界リレーは、今年8月開催のパリ五輪のリレー種目(男子4×100mR、男子4×400mR、女子4×100mR、女子4×400mR、混合4×400mR)の各16枠のうち各14枠を争う重要な大会だ(残り2枠は参加資格有効期間終了時のワールドランキング上位2か国)。 男子ではパリ五輪リレー候補競技者のうち、世界リレー出場の意思を示していた4×100mRのサニブラウン・A・ハキーム(東レ)、栁田大輝(東洋大3年)、上山紘輝(住友電工)、4×400mRの佐藤拳太郎(富士通)、佐藤風雅(ミズノ)、中島佑気ジョセフ(富士通)が代表入りを果たしたほか、選考会となったグランプリシリーズ出雲陸上(4月13~14日開催)で上位に入った選手がリレー特性なども考慮されて選出された。 パリ五輪の出場権がかかる世界リレーだが、個人種目でパリ五輪出場を目指す選手にとっては同時期に開催されるグランプリシリーズに出場できないなどの不利益もある。日本陸連の土江寛裕ディレクターは出雲陸上後に「個人優先」の方針を強調し、「本人たちが意思がある場合のみ連れていく」と語っており、男子100m優勝の飯塚翔太(ミズノ)は静岡国際への出場を表明していたため選出されなかった。 世界リレー日本代表の注目は、男子4×400mRの「4人目」をめぐる争いだろう。400m44秒台の佐藤拳、佐藤風のW佐藤と、世界選手権で2大会連続アンカーを担った中島に続く選手は現れるのか。出雲陸上からは300mで1位の西裕大(MINT TOKYO)と2位の川端魁人(中京大クラブ)、400mで1位の吉津拓歩(ジーケーライン)と2位の今泉堅貴(Team SSP)がメンバー入りを果たした。 300mを日本歴代7位の32秒52で制した西は、昨年の早大4年時に日本インカレ200mで優勝。日本選手権リレーでは4×100mRで2位、4×400mRで3位に入るなど四継もマイルも走れるスピード型の選手だ。一般企業に就職が決まっていたが、「オリンピックが夢から現実的な目標に変わった」と昨年の日本インカレ後に競技継続を決断した。「自分は200mで20秒43というペースを持っていて、前半の力は海外の選手も劣らないぐらいはあると思っています。スピード出したなかでも後半耐えられるというのが強み。マイルでは2走や3走で前の選手を追う役割を果たしたい」と意欲を見せた。 同じくスピード型では、オレゴン世界選手権で4×400mR4位入賞メンバーとなった川端が代表に復帰。なお、マイルのメンバーは混合4×400mRのメンバーも兼ねている。 男子4×100mRでは、アメリカに拠点を置くサニブラウンがメンバー入りした。「アメリカにいるので、一緒にリレーを組む機会がないですから、バトンの練習ができるすごく貴重なチャンスにもなる」と土江ディレクターは期待を寄せている。