東大教授の建築家・千葉学が選ぶ「世界一の豪邸」は近代建築の巨匠、ル・コルビュジエが設計したインドの富豪の館!
都市や自然の環境と建築との関係性を尊重し、人が集まる場としての建築空間を探求している千葉学さん。アウトドア派でアクティブな建築家・千葉さんが選んだ「世界一の豪邸」と、その理由をお聞きしました。 【写真集で見る】建築家・千葉学さんが選ぶ「世界一の豪邸」はル・コルビュジエの傑作住宅!
千葉学さんが選んだ”世界一の豪邸”は「サラバイ邸」(インド)
「サラバイ邸」は、ル・コルビュジエがインドのアーメダバードで設計した住宅。1956年頃に完成し、緑豊かな敷地内にシンプルなヴォールトが水平に連続する特徴的な建物が立ち、フランスの「サヴォア邸」と並んで彼の傑作住宅の1つといわれています。 敷地内の一部はインド屈指のテキスタイル博物館であるキャリコミュージアムとして公開されていますが、サラバイ邸は現在もサラバイ一族が住んでおり、非公開です。
「文字通りの豪邸。まるで森のなかのような敷地を歩いて行くと、生い茂る植物の下にこの住宅は現れます。内部に入れば、そこは広大な自然のなかのほんの一部に覆いを掛けたような、どこまでも伸びやかに広がる外のような内のような空間。その快適さは、ひんやりとした黒い石の床、回転すれば全開する建具、屋上の土や樹木によって実現されています。 大自然のなかに、ほんの少しの建築的な架構を置くだけで生まれた住まいは、自然の只中に放り出されている開放感と、自分の居場所が守られている安心感が絶妙なバランスで両立している。これほどの贅沢はないと思いました」
設計者はフランスの巨匠ル・コルビュジエ
「サラバイ邸」の設計者は、ル・コルビュジエ(1887-1965)。彼の建築は17点も世界遺産に登録されており、前川國男や坂倉準三ら日本の建築家も師事した偉大なる建築家です。
ちば まなぶ/1960年東京生まれ。 1985年東京大学卒業。1987年東京大学大学院修了。 1987~1993年日本設計を経て、2001年千葉学建築計画事務所設立。 東京大学大学院教授。日本建築学会賞、村野藤吾賞など受賞も多数。