自閉症の兄を持つ双子の挑戦。障害のある人が描くアート作品で、社会を変える「ヘラルボニー」
◆アートが誕生する場所「田井ミュージアム」 ヘラルボニーの契約アーティスト数名が所属している「自然生(じねんじょ)クラブ」は自己表現のひとつとして、絵画のワークショップを取り入れている 茨城県つくば市で活動する「自然生クラブ」。施設長の柳瀬敬さんのもと、メンバーは筑波山麓で有機農業を営み、その多くが敷地内のグループホームで暮らしている。彼らは週2回、2キロ離れた「田井(たい)ミュージアム」へ向かう。創作舞踊や絵画のワークショップのためだ 使わなくなったJAの倉庫(蔵)を譲り受け、アトリエとシアターを構えた「田井ミュージアム」。地域交流の拠点ともなり、カフェも併設されている 各自、得意なモチーフなどがあり、普段は自由に創作活動を行うが、毎年、年が明けると「チャレンジアートフェスティバルinつくば」(2024年は3月5~10日につくば美術館にて開催)に出品するため、全員が同じ大きさのキャンバスに向かう 高田祐(ゆう)さんが描くのは、すべて「迷路」。描きながら途中で塗りつぶしたり、入口と思しきところが変わったりするため、その建物がどのような構造か、想像力を掻き立てられる。 作品はマスクやエコバッグなどに商品化されたほか、ディズニーとのコラボレーションとしてブラウスやスウェットにもなた (構成=本誌編集部)
松田文登
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