「テスタロッサ」の後継「512TR」が5億円! 世界に3台しか存在しないフェラーリ公認「512TRスパイダーでした」
スパイダーはなんと5億円オーバー! でも、そこには納得の理由が・・・・・・
このほど開催されたRMサザビーズ「LONDON」オークションには、2台のフェラーリ512TRにくわえて、ピニンファリーナによって特別に製作された512TRスパイダーが、「The Factory Fresh Collection」から出品された。 2台の512TRベルリネッタは、ともに88台のみが生産されたといわれる右ハンドル英国仕様車で、「ブル・セーラ・メタリッツァート(ナイトブルー・メタリック)」の512TRは、オークションの公式カタログ作成時点で5万4000kmを超える、この種のスーパーカーとしては走行距離が出ている個体。もう1台、「ロッソ・コルサ」の512TRは、まだ3900マイル(約6200km)しか走っていない個体とのことだった。 そして、今回の目玉のひとつともいうべき「ブル・コバルト(コバルトブルー)」の512TRスパイダーは、「The Factory Fresh Collection」主宰のアルフレッド・タン氏自身の主導により、フェラーリ公認のもと3台のみが製作された512TRスパイダーの1台とのこと。 アルフレッド・タン氏はフェラーリの正規代理店の社主として、あるいは熱心なフェラーリ愛好家として、フェラーリおよびピニンファリーナとは太いコネクションを持つかたわら、ブルネイ王家とも密接な関わりがあり、これまで王家が特注したスペシャル・フェラーリの多くに関与。1990年には、テスタロッサのスパイダープロジェクトの立ち上げと運営にも携わっていた。 そして1993年、フェラーリは3台の512TRスパイダーを製作し、1台はフランスに、2台はアルフレッド・タン氏に引き渡し、そのうちの1台、ブル・コバルトの塗装を施されてラインオフした唯一の512TRスパイダーであるシャシーナンバー#97310は、そののち30年にわたってタン氏の手元に残された。 ところが、フェラーリ512TRスパイダーの引き渡しを受けたタン氏は、この#97310にほとんど乗ることなく、つねにホンセ・モーターズのショールーム内かドライストレージに保管。その結果、今回のオークションカタログ作成時にオドメーターが示していた走行距離は、わずか570kmにすぎなかったというのだ。