ミハチガツ、踊りで締める 平集落で「ドゥンガ」 奄美市笠利町
鹿児島県奄美市笠利町の平集落(南重光区長)で27日夜、「ドゥンガ」を祝う八月踊りがあった。平公民館に住民らが集い踊りの輪を広げ、旧暦8月のアラセツ(新節)から始まるミハチガツ(八月三節)をにぎやかに締めくくった。 ドゥンガはアラセツ、シバサシの後の甲子(きのえね)が祭り日。かつては改葬をして先祖を祭っていた。平集落では住民らが早朝に墓を参り、シイの枝を供える風習が今でも残っている。 八月踊りは、前日のツカリから2日連続で行う。この日は午後8時ごろに開始。住民らは女性陣のチヂン(太鼓)の打ち出しに合わせて歌い、ハト(指笛)を鳴らして活気あふれる舞を繰り広げた。 同集落で生まれ育った栄満さん(80)によると、ドゥンガの日は仕事をしないでゆっくりするのが習わし。「(八月踊りは)歌い手が少なくなってきた。地域の芸能を若い人にも引き継いでほしい」と話した。 今年は青年団が中心となり毎月2回、八月踊りの練習を続けてきた。今年は8月に同市名瀬で開かれた奄美まつりにも初参加。地域の伝統を保存・継承する取り組みが盛り上がっている。 発起人で集落役員の川口大樹さん(37)は「平には他の集落とは全然違う歌や踊りがある。自分たちが当事者という意識を持って、伝統を残していきたい」と語った。
奄美の南海日日新聞