【大学野球】慶大・清原正吾「勝負所で1本、お客さんを沸かせる放物線を描けたら」満員必至の早慶戦に闘志
東京六大学野球春季リーグ戦の最終週となる早慶戦が6月1日から行われる。優勝は明大と早大の2校に絞られ、早慶戦で早大が勝ち点を奪えばV、慶大が連勝すれば明大がV、慶大が2勝1敗となれば、明早による優勝決定戦(6月5日11時・神宮)に突入する。慶大は31日早朝から横浜市内の同校室内練習場で最終調整。4番の清原正吾一塁手(4年=慶応)は満員の大観衆が予想される中、リーグ戦初アーチへ意欲を示した。 2季連続の天皇杯こそ逃したが、早慶戦に懸ける慶大ナインの闘志はみじんも欠けていない。慶応幼稚舎時代から三塁側の客席で見つめてきた好敵手との勝負。清原は「打倒・早稲田」への強い決意を明かした。 「小学校からずっと見てきたんで、早稲田というのは僕の人生の中では負けられない相手。『早稲田に勝つ』という思いはありますね」 今春リーグ戦ではここまで全11試合で4番を務め、チームの規定打席到達者でトップの打率2割7分3厘と結果を残してきた。しかし、リーグ戦初アーチはお預けのままだ。 「僕自身もホームランは今季1本打ちたいなと思っているんですが、欲を出しすぎずに。チームが勝てればそれでいいので。打点にこだわって、結果はどうあれ、点が入ればそれでいいかなと思っています」 コロナ禍も明け、前売りチケットの売れ行きも好調。1日は晴天が予想され、神宮が満員の大観衆で埋め尽くされる見通しだ。父・和博さんは現役時代、「お祭り男」と呼ばれ、日本シリーズなどの大舞台で無類の勝負強さを見せてきた。 「勝負強い男というのは、やっぱりカッコいいし、父親の姿を見てきたので。僕も勝負所で1本、お客さんを沸かせる放物線を描けたらなと思っています」 気負いとは無縁。大舞台で魂を燃やせることに喜びを感じて、フィールドに向かう。 「お客さんが入ってくれることに関しては、感謝しかない。そこでプレッシャーや大歓声の中でプレーできることを追い風に変えて、楽しめるマインドにはなっている。早慶戦で打席に立てるのは、限られた人数しかいない。貴重な経験だと思って、存分に楽しみたい」 いざ勝負。大観衆の熱視線を力に変え、清原がフルスイングで神宮の杜を沸かせる。(加藤 弘士) ◆清原 正吾(きよはら・しょうご)2002年8月23日、東京都生まれ。21歳。慶応幼稚舎3年から「オール麻布」で野球を始め、中学ではバレーボール部、慶応高ではアメフト部でプレー。慶大入学後に野球に再チャレンジ。弟の勝児内野手は慶応高の昨夏の甲子園Vメンバー。50メートル走6秒5。遠投100メートル。186センチ、90キロ。右投右打。
報知新聞社