バント侍から主軸に ソフトバンク栗原陵矢の3年間の軌跡
【記者コラム #タカ番24時】 単打でも地鳴りのような声援が湧き起こった。野球の国際大会「プレミア12」が初めて4万人収容の台北ドームで開催された。 ■栗原陵矢とモデル妻のラブラブ2ショットはこちら【写真】 日台戦のチケットは即完売で、ほとんど台湾ファン。日本の応援団は右翼ポール際の一角のみだった。現地メディアの関係者も感慨深げに「このドームのおかげで外国のチームとの高いレベルの対戦が見られるようになった」と台湾球界のレベルアップとさらなる野球熱の高まりを期待していた。 台湾の躍進に間違いなく貢献したであろう大声援。日本代表にもファンの後押しを待ちわびていた選手がいた。ソフトバンクから唯一選出された栗原陵矢だ。2021年東京五輪以来の代表だが、五輪はコロナ禍で無観客。「たくさんのお客さんの前で日の丸を背負ってやる。あまりイメージが湧かない」。2次リーグ以降は東京ドームで打席や守備のたびに湧くファンの期待に応えた。 前回とは立場も違う。「試合にスタメンで出られているありがたみはある」。五輪ではわずか1打席。それも犠打だった。そこから3年後、5番三塁を定位置に1次リーグで2試合連続決勝打を放つなど中軸を担った。井端監督からは「代えないから」と全試合フル出場を言い渡されるなど大きな期待を寄せられる存在となった。そんな言葉に燃えないわけがなかった。 昨年まで2年連続でけがに苦しんだが今年は誰よりもグラウンドに立ち続けた。プレミア12準優勝に「やはり悔しい。来年以降の励みになるかな」。長かった24年シーズンが終わった。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社