【DDT】2年ぶりKO-D無差別級王座挑戦の遠藤哲哉「青木真也を倒し、王者として再び中嶋勝彦の前に立つ」(後編)
9月8日愛知・名古屋国際会議場イベントホールで第83代KO-D無差別級王者・青木真也へ挑戦が決まった遠藤哲哉。青木は前王者・上野とのタイトル戦を前に2年前の中嶋勝彦との一戦で失神した遠藤の過去を蒸し返す。8月25日後楽園大会、上野勇希を破りKO-D無差別級王者・青木の前に現れ次期挑戦者に名乗りをあげた遠藤の胸の内はいかに… 【写真】2年ぶりKO-D無差別級王座挑戦の遠藤哲哉「青木真也を倒し、王者として再び中嶋勝彦の前に立つ」(前編) ――8月25日後楽園大会、これまでKO-D無差別級王座を7度防衛した上野勇希選手が敗れ、青木真也選手にベルトが移動しました。 遠藤:僕はセミファイナルに出場したので、メインイベントで行われた2人の戦いを直接は観ていないんです。 後日、レッスルユニバースで鑑賞しました。試合は、前半上野が青木さんのフィールドでグラウンド中心の展開。後半、少しずつ上野がペースを掴み、上野のフィールドに持ち込んだところを青木さんに「変形グラウンド卍固め」を極められました。 バックボーンであるグラップリングを上手くプロレスに適応させてきている。そこが青木さんの怖さですね。 ――その青木選手と9月8日名古屋大会で戦います。 遠藤選手は自分のことを「青木真也と一番手が合わないであろう」と。総合格闘技をベースとした青木選手と、ハイフライヤーとして飛び技を得意とする遠藤選手はプロレススタイルが違います。9月8日のタイトル戦は、どちらのフィールドで勝負しますか? 遠藤:僕にはDDTの道場でしごかれてきたプライドがあるので。正直、青木さんの戦いに付き合うつもりはないですね。 ただ樋口や高鹿(佑也)ら、組み(グラップリング)が強い選手と練習しています。タイトル戦では青木さんのグラップリングに対応する場面もあるでしょう。DDTの道場で磨いた技術が青木さんにどれだけ通用するのかが、大きなポイントになると思います。
――8月25日後楽園大会、メインが終わった後に次期挑戦者に名乗りを上げました。 遠藤:KO-D無差別級王座に挑戦する前、青木選手がインタビューで僕の名前を出しました。正直すごく腹が立ったんですよ。「なぜ、上野勇希vs青木真也のKO-D無差別級王座戦に俺の名前を勝手に使っているんだ」と。 でも、そこで名前を出すのはDDT所属ではない青木さんだからこそ。青木さんは僕よりも悔しい思いを何度も経験してきた。 一番印象に残っているのは、2010年12月31日「Dynamite!! ~勇気のチカラ2010~」で長島☆自演乙☆雄一郎さんと対戦。 1Rが長島さん有利のキックルール、2Rが青木さん有利の総合格闘技ルールでした。試合は2R、青木さんの得意なフィールドで長島さんに破れてしまった。僕と違って地上波で全国民が注目していた試合です。 その状況から立ち上がり、2013年にONEライト級王者に輝ました。それが“青木真也”です。僕は“その”青木さんに手を差し伸べてもらった。向こう(青木)がどう考えているのかわかんないけど、僕はそう受け止めました。 ――青木選手とのタイトル戦の先に「中嶋勝彦」が見えていると思います。中嶋選手との戦いにKO-D無差別級ベルトが必要でしょうか?ベルトがない状態でも挑戦するのは可能だと思いますが。 遠藤:当時、KO-D無差別級チャンピオンとして中嶋選手と対峙して、張り手で記憶を飛ばされてしまい、ベルトを返上した。 ですから当時と同じ“KO-D無差別級王者”という立場で中嶋選手に向き合いたいと考えています。 ――この2年間、遠藤選手はどのような状態でしたか? 遠藤:暗闇の中を彷徨っている感じでしたね。本当に出口が見えないんですよ。そこに青木さんが蜘蛛の糸を垂らしてくれた。 この先に待っているのが天国なのか、地獄なのか分かりません。9月8日名古屋で糸が切れてしまい、また地獄に落ちてしまうかもしれない。でも覚悟を決めたので自分を信じて挑むだけです。