暇つぶしに作った”間違い探し”に反響 全部「老人と海」に見えるけど…文芸翻訳者のクイズに様々な声、正解は?
ヘミングウェイの最高傑作ともいわれる小説「老人と海」のタイトルを使用した「まちがい探し」クイズが「X」にポストされました。「老人と海」のタイトルが12列×5行並んでいる中に一つだけ「まちがい」が紛れ込んでいるようなのですが…!? 【写真】答えはコチラ クイズを見た人たちからは、 「老人と海老、人と海老、人と海老、人と海老、人と海」 などという混乱の声や、 「そろそろ桜の季節ですよ。」 というツッコミも寄せられたなか、 「The old man and …」という英文と共に「梅」の画像を添えた返信や、 「老人と梅」 とズバリ正解を答える声も届き、リプライ欄は楽しい雰囲気につつまれました。 出題者は、今年の1月末に角川文庫から発売された、同書の新訳を手がけた文芸翻訳者の越前敏弥さん(@t_echizen)のアカウントです。
「すぐに『老人と梅』が頭に浮かんだ」
クイズに「疲れたので、まちがい探しクイズを作ってみました。」という一文を添えてポストした越前さんにお話を聞きました。 ――あらためて「クイズ」を作成しようと思ったきっかけを教えてください。 締め切り間際で大変なときでしたが、人間、そういうときほど目の前の大事なことから逃避したくなるものです。インスタでときどき似たような「まちがい探しクイズ」が出てくるので、自分も何か作れないかと以前から思っていました。 ――「老人と梅」という文言はどうやって思いついたのでしょうか? どうせなら、自分の最近の訳書のタイトルでと思い、まずは『オリンピア』で考えましたが、全部カタカナなのであまりおもしろくない。で、『老人と海』でどうかと考え、比較的すぐに「老人と梅」が頭に浮かびました。これならけっこう見間違えそうだし、楽しんでくれる人もいそうだし。
「自分ではこういうまちがいをしたことはない」
――失礼ながら、あるいは翻訳作業中に本当に間違われたこともあった、とか…? 自分ではこういうまちがいをやったことはありませんでしたが、ちょっと検索したところ、書誌情報のたぐいで「老人と梅」と書かれているサイトを見つけて、「ああ、やっぱりいたか」と同情しました。作った本人はいまも気づいてないんだろうなあ。 ――投稿に様々なコメントが寄せられました。 暇つぶしではあったものの、アップするときには字間調整を何度もやりなおすなど、それなりに工夫したので、反応がよくてうれしく思いました。「老人と海老」や「人と海老」については自分では予想していませんでしたが、それについて書いてくれた人がずいぶんいましたね。自分でもだんだんそう見えてきました。