堤真一×瀬戸康史、大東駿介×浅野和之 ジョナサン・マンビィ演出の2作品連続上演が本日開幕
Bunkamura Production 2024/DISCOVER WORLD THEATRE vol.14『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』が9月10日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕。これに先立ち、『A Number―数』で二人芝居に挑む堤真一と瀬戸康史、『What If If Only―もしも もしせめて』で舞台初共演となる大東駿介と浅野和之が、取材に応じ、意気込みを語った。 『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』舞台写真ほか(全15枚) Bunkamuraが日本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んできた、DISCOVER WORLD THEATRE(以下DWT)シリーズ。その第14弾として、『トップ・ガールズ』や『クラウド・ナイン』など数々の話題作で知られる、現代イギリス演劇を代表する劇作家のひとりであるキャリル・チャーチルの2作品が連続上演される。2作品の演出は、これまでにDWTシリーズで3作品を演出してきたジョナサン・マンビィが手がける。 『A Number―数』は人間のクローンを作ることが可能となった近未来を舞台に、秘密を抱え葛藤する父を堤が、クローンを含む3人の息子たちを瀬戸が演じる。 マンビィとのタッグは4度目を数える堤は「本当に愚かなおっさんやなと思う」と役どころを説明し、「彼がなぜ、そのような道に至ったのか。物の考え方や罪の意識を抱いた結果という部分をしっかり演じていきたい」と抱負を語った。「(題材として)クローンが全面に出ていますが、それ以上に、人間とは何か、自分って何かという“人間”としての課題が浮かび上がる作品。見る人にとって、見えるものが違ってくると思うので、難しいテーマだと思わず、固定観念抜きに、肩肘張らずに観てもらえれば」とアピールした。 一方、三役に挑む瀬戸は「苦しい作品ではあるんですけど、最後は希望の光が見えてくれる」と見どころを紹介。さらに「親子の物語ですね。自分のことを好きになれる、優しくなれる作品かもしれない。堤さんとのお芝居を通して“感じる”ことを大切にした」と語り、『What If If Only―もしも もしせめて』との関連性については「シンクロしないようで、どこかつながっている不思議な感覚」だと話していた。 『What If If Only―もしも もしせめて』では、愛する人を失い苦しむ“某氏”を大東、“未来”と“現在”を浅野が演じ、マンビィとの初タッグで日本初演の戯曲に挑む。 大東は「台本をいただいた時点で、ありがたいと思える、奇跡のような素晴らしい体験をしている」と強い思い入れ。「もし、自分が出演していなくても3回くらいは観に行きたい。出演しているので見られないですけど(笑)、でも、出演しているほうがうれしい。ありがとうございます」とユーモアをまじえ、意気込んだ。『A Number―数』との関連性については「まさに対になっていて、ちゃんと寄り添っている」といい、「ふたつの作品を通して、自分が今を生きるということが見えてくるので、ぜひ劇場で体験してもらえれば」と熱く語った。 浅野は、演出のマンビィを「分析する力が非常に高い」と評し、「台本はちょっと難解かなと思うこともあったが、解釈について非常に丁寧で具体的に示してくれて、それがすごく役に立ちました」と述懐。『What If If Only―もしも もしせめて』は上演時間が20分強と比較的短めで「その分、密度の濃いお芝居ですが、寝たらおしまいです(笑)」と笑いを誘った。 取材・文・撮影:内田涼 <公演情報> Bunkamura Production 2024 DISCOVER WORLD THEATRE vol.14 『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』 作:キャリル・チャーチル 翻訳:広田敦郎 演出:ジョナサン・マンビィ 美術・衣裳:ポール・ウィルス 出演: 『A Number―数』 堤真一、瀬戸康史 『What If If Only―もしも もしせめて』 大東駿介、浅野和之、 ポピエルマレック健太朗・涌澤昊生(Wキャスト) 【東京公演】 公演期間:2024年9月10日(火)~29日(日) 会場:世田谷パブリックシアター 【大阪公演】 公演期間:2024年10月4日(金)~7日(月) 会場:森ノ宮ピロティホール 【福岡公演】 公演期間:2024年10月12日(土)~14日(月・祝) 会場:キャナルシティ劇場