「いつもクビになるリスクと戦っていた」元サッカー選手・太田宏介がセカンドキャリアにスムーズに移行できた訳「大変な時期を乗り越えたからこそ」
実際、最初の半年はギリギリの生活でしたけど(笑)、そこで結果を出して、自分の力で新しい契約を勝ち取って。そういう経験ができたことはすごくよかったなと思いますし、すべてがプラスに動いた選択だったかなと思います。
■自分と同じ境遇の子どもたちのために ── セカンドキャリアに対して不安はありませんでしたか? 太田さん:プロ1、2年目は単年契約しか提示されず、常に翌年はクビになるかもしれないというリスクと戦っていました。だからこそ、お金の管理は若い頃からきっちりしていましたし、いつ引退しても、仕事がゼロになっても生活できるように、資産運用を含めて考えていました。それが、セカンドキャリアに移行したときも不安に感じることがなかった大きな要因だと思います。
去年の5月頃にはすでにチームに引退することを伝えていて、挨拶回りもしていたんです。終わりを自分で決めて、なおかつ時間をかけて準備をやってこられたので、スムーズに移行できる自信がありました。ただ、予想以上に忙しくなったことはハッピーでしたね。 ── 計画的ですね。現在はサッカー関連のお仕事が多いとのことですが、それ以外には具体的にどのようなことを行っているんですか。 太田さん:今、サッカーと吉本興業からいただく仕事以外で一番取り組んでるのが『ジョガスポーツカレッジ』という、子どもたちを対象とした月謝無料のスポーツスクールの運営です。また、全国各地を回って、地域の行政や教育委員会、サッカー協会と連携して、その地域の子どもたちに楽しんでもらえるようなスポーツイベントを開催してまわっています。年間3000名の子どもたちを無料で招待し、スポーツただやるだけではなく、エンタメ要素も少し入れながら、将来の夢や目標のキッカケ作りとなるような機会を作っているんです。吉本興業の芸人さんにも都度来ていただきイベントを盛り上げてもらっています。
── なぜそれをやろうと思われたんですか? 太田さん:ぼくは幼い頃に町田のサッカーフェスティバルで北澤豪さんにかけてもらった言葉がプロのサッカー選手を目指すきっかけとなったんです。「たくさんボールを蹴って、みんなが遊んでいる時間こそサッカーと向き合うといいよ。とにかくたくさん練習して!」と、言葉自体はうる覚えですが、そんな声をかけてもらいました。だから、サッカー選手ではなくても、お笑い芸人でもユーチューバーでもいいんですが、未来ある子どもたちにそういったきっかけを作りたくて。