若手女性パティシエの働き方に新風到来!オンライン販売専門店『Macaroi(マカロワ)』のシェフパティシエはどうやって成功したのか
定期便も行っている『マカロワ』。毎回、新しさと季節感を同時に楽しんでもらいたいと、これまで多種多様なフレーバーのマカロンを開発してきました。 秋も深まるこの季節は和栗と洋栗のマカロン。食べると雲のように軽いマカロンコックと、しっとりとしたクリームが口の中で交わります。栗の風味が広がったかと思うと、あっという間に口の中は空っぽに。思わず次の1個に手が伸びる美味しさです。
自分の味を見つけたい。『Mr. CHEESECAKE』で学んだ“特出する”大切さ
『マカロワ』の立ち上げ前には、マカロン作りのためにお給料のほぼ全てを材料費にあてて猛特訓。作り続けて2年たったいまでも、上手くいかないときがあるそう。 小野寺さん「私は難しいことほどのめり込むタイプなんです。仕事でマカロンを作る機会はほぼなく、だからこそ工夫を凝らして自分の味を作れるかなって。まだまだ安定しませんが、マカロンと自分が一緒に成長していくようで面白いですね」 『Mr. CHEESECAKE』もまた、1つのお菓子に特化したオンラインショップとして一躍有名になったブランド。田村シェフとご飯に行くことも多かったという小野寺さんにとって、当時の体験はどのようなものだったのでしょうか。 小野寺さん「田村シェフは私にとって師匠であり、相談相手です。今でも連絡をしているのですが直ぐに私の変化に気が付きます。そして、どんなに私が落ち込んでいてもストレートに指摘されます。厳しいな、悔しいなって思いながら、自分自身が一番わかっていることだから何も言えない。頑張らなきゃって奮い立ちます」
作り手ならではの視点で作ったシェアキッチンが人気
小野寺さんがシェアキッチンを始めたのは2022年。板橋区・氷川町にあり、商品の販売スペースも完備。即日時間制での使用が可能だったり、包装置き場も用意されていたりと、お菓子を提供している人にとっては、ありがたいこと尽くしです。 小野寺さん「私が『マカロワ』を始め、工房を借りることが増えて色々なニーズを感じたことがきっかけでした。SNSを見ていると、主婦の方がお菓子を作って販売したり、若手パティシエの露出が圧倒的に増加したことに気が付きました。そこで、シェアキッチンをやったら利用者は多いだろうと思い設備を整えたんです」 シェアキッチンは、近所の人や作り手同士のコミュニケーションの場にもなっているそう。取材時には、近所の方がおすそ分けのネギを持ってきてくれるという、ほっこりするような出来事も。こうした、血の通った人間関係が『マカロワ』を特別なブランドにしているようです。