「シルビア」のパーツをダイハツ「エッセ」に流用! 還暦レーサーがワンオフで手掛けたチューニング内容とは
ボディの軽量化が走りを激変させた
2023年シーズンからの大きな変更点はボディ。すでにボンネットやリアゲートは軽量タイプに交換していたが、車両規則の緩和により条件つきでリアドアの変更が可能となったため、大塚選手は早速ハートビート製のFRPドアを導入。左右で20kgものダイエットに成功したという。 シェイクダウン前は重量の前後バランスが崩れるかと危惧していたものの、実際にサーキットを走らせると足まわりのセッティングは以前と一緒で、逆にナーバスなところもあったリアの挙動が落ち着いて驚いたと話す。 スポーツランドSUGOでハードブレーキングが必要なバックストレートエンド、そしてスピードをギリギリまで上げておかないと失速する最終コーナーの進入は、リアが安定したことにより純正ドアのときより格段に走りやすくなったそうだ。 大塚選手が感じた変化は如実に成績へと反映されており、今年の開幕戦では練習/予選/決勝とトップを譲らず、圧倒的な速さで見事ポール・トゥ・ウィンを決めた。未達成の1クラスのチャンピオンに向け、大きな一歩を踏み出したといっていいだろう。 2024年シーズンは冒頭で述べたようにステップアップ組が多く、1クラスは予選落ちが出そうなほどの激戦区となっている。マシンメイクにせよドライビングにせよ若者にとっての手本であると同時に、いい意味での「ラスボス」として東北660選手権に君臨し続けてほしい!
佐藤 圭(SATO Kei)