中谷潤人 初防衛へ「順調」スパー42回 初生観戦大谷翔平から刺激も「海外で活躍する日本人がいると励みになる」
◆プロボクシング ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級1位ビンセント・アストロラビオ(7月20日、東京・両国国技館) プロボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人が4日、強化合宿先の米ロサンゼルスからリモート取材に応じ、同級1位ビンセント・アストロラビオとの初防衛戦に向けてスパーリング中心のトレーニングを順調に消化していると強調。先月末には練習の合間に大リーグの試合を観戦し、ドジャース・大谷翔平投手(29)のプレーを初めて目の当たりにして、さらなる飛躍を決意した。 モニター越しから見せた笑顔に、中谷の充実ぶりが伝わってきた。「順調に練習できています。スパーリングは週4日。減量は試合1か月前くらいから、ですね」。5月23日に渡米すると、ロサンゼルス到着の翌24日から早速、スパーを敢行。この日(現地時間3日)までに42回の実戦練習を重ねた。 何人もの世界王者を送り出したルディ・エルナンデス・トレーナーの指導の下、スパーは世界ランカーやキューバの強豪選手など、さまざまなタイプの選手を相手にする。「ルディからいろいろなテーマを毎ラウンド、与えてもらう。一度に6~8発連打したり、ここはディフェンスだけで頭を振ったりとか。パンチ一発ごとのタイミングなど、細かいところまで指導してもらい、即、実戦で試す。それを自分のものにした時、武器が増えると感じます」と明かした。 練習が激しければ激しいほど、合宿中のリフレッシュも重要になる。先月31日には弟の龍人マネジャーと、ドジャース―ロッキーズ戦に足を運び、初めて大谷のプレーを生観戦した。「打席に立つと歓声で球場が沸く。海外の地で活躍する日本人がいると励みになるし、自分もそうなっていかないといけないと思いました」と、決意を新たにした。 さらに最近、ルディ氏の口から「イノウエ」というワードが出るようになったという。スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)のことだ。師匠は「イノウエとやる時にはこれが必要」などと表現するが、中谷は「階級を上げていけば、よりさまざまな武器が必要になる。井上選手との対戦というより、技のグレードを高めることにフォーカスしている」と受け止めた。 ルディ氏は将来的に夢の対戦を望んでおり、「その思いは感じます。それだけに、これからの一試合一試合が大事。より期待してもらえるような試合をお見せしたい」。中谷は、アストロラビオ戦をKOでクリアすると決めている。(谷口 隆俊)
報知新聞社