<でっかい夢・’21センバツ大崎>選手の横顔/6 勝本晴彦投手/井元隆太外野手 /長崎
◇びびらず気迫の直球 勝本晴彦投手(1年) 181センチの長身から投げ下ろすキレのある直球が持ち味の大型左腕。球速は最速127キロながら緩急をつけた投球で、打者に的を絞らせない。 昨秋の九州大会決勝の福大大濠(福岡)戦で先発を任された。「びびって投げてたらすぐ代える」と清水央彦(あきひこ)監督から発破を掛けられての登板だったが、気迫の投球で相手打線を手玉にとり、自身も驚く1失点完投。最後の打者を打ち取ると、ガッツポーズして仲間と優勝を喜んだ。 実家は五島市で、両親はケーキ屋を経営している。「エースの坂本(安司)先輩がいつ崩れても自分が救援し、全力で勝負して抑えたい」。笑顔で大崎へ送り出してくれた両親のためにも、甲子園での健闘を誓う。 ◇夢追い ゼロから成長 井元(いのもと)隆太外野手(2年) 人口約700人の平戸市度島(たくしま)出身。チームの中で唯一、高校から野球を始めたが、周囲から打撃フォームなどを一から教わって自主練習を重ね、1年生の秋の県大会でベンチ入りを果たした。「支えてくれた仲間のお陰でここまで成長できた」と謙虚に語る。 小学生の時にプロ野球を観戦して以来、野球に憧れていたが、地元の中学校に野球部はなく、陸上部に所属。それでも夢を捨てきれず、学校から帰宅すると塀にボールを投げ、跳ね返ってきた球を捕球する練習を毎日、日が沈むまで続けた。 甲子園出場の夢がかない、「送り出してくれた両親にありがとうと伝えたい」。充実した環境への感謝を胸に、人一倍引き締まった表情で練習に励む。 〔長崎版〕