クルマの屋根にある「謎のサメのヒレ」が絶対すごい理由とは!? 「邪魔だから撤去」はOK? 「華麗に泳ぐため」じゃなかった!
クルマについてる謎のパーツ
最近のクルマの屋根を見ると、何か「サメのヒレ」のような物体がついているのが見えます。 謎の「サメのヒレ」は一体何のためにあるのでしょうか。 【画像】「えっ…!」これが「謎の角」の正体です(24枚)(24枚)
その正体は、その見た目のとおり「シャークアンテナ」や「シャークフィンアンテナ」と呼ばれています。また、形の似た哺乳類から「ドルフィンアンテナ」と呼ばれることはあります。 なおサメは魚類ですが、一部の種では卵を産んで受精させるのではなく、メスの胎内で卵をふ化させて育てる、まるで哺乳類のような性質をもつものもいます。 サメがみな獰猛でヒトを襲うわけではなく、たとえば魚類最大と言われる「ジンベエザメ」は、主にプランクトンを栄養源としています。クジラと同じように、丸ごと海水を口に入れて吐き出し、クシのような歯でプランクトンだけこし取って食べています。 さて、クルマのパーツである「シャークフィンアンテナ」の話に戻りますが、かつての「細い金属棒」のアンテナ(ロッドアンテナ)に比べて、様々なメリットがあります。 たとえばいちいち伸ばしたり引っ込めたりする手間がいらず、洗車機や車庫に引っかかったりする危険もありません。また空気抵抗の面でも有利な形状となっています。 ロッドアンテナの派生形で、普段は寝ていて、使用時に起き上がらせる「コンパクトポールアンテナ」もありましたが、シャークフィンアンテナは「起き上がらせる手間」すら無くしました。 それを可能にしたのが、電子基盤による電波増幅技術です。アンテナ棒を伸ばして表面積を稼がなくても、フィン部分だけの受信力で十分になったのです。 それだけではなく、シャークフィンアンテナにはたくさんの技術が詰め込まれています。そのひとつが、カーナビの機能に必須のGPS受信機能です。かつては、新たなテレビ受信グレード「ワンセグ」の電波受信にも使われました。将来的にも、自動運転システムのためのプラットフォームとして、応用が期待されています。 ちなみに、シャークフィンアンテナが初めて採用された例は、2001年に登場したBMW「7シリーズ」とされています。 国産車では2005年、レクサス「IS」が初の事例でした。その後、2014年のスバルの初代「レヴォーグ」など、各メーカーに派生しています。 なお近年、このシャークフィンアンテナが複数備わるものも登場。それが日産「アリア」の上級モデルです。 アリアの上級モデルは先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を採用していますが、これの機能のためにシャークフィンアンテナが2つ備わり、ユニークな見た目をしています。
くるまのニュース編集部