[特集/アーセナルは優勝する 03]驚愕のマルチ性+攻撃性能もアップ 冨安健洋はアーセナル優勝のキーマンだ
新オプションになりうる、ラストスパートでのCB起用
ウルブズ戦で負傷後、4~6週間の戦線離脱と報じられた。残念ながら負傷が多い。それだけが弱点だ。中3日の連戦が常態化している欧州なので、それに耐えられるかどうかも重要なポイントといえる。そもそもこれまでの負傷離脱がなければ、とっくにレギュラーポジションを確保していただろう。ターンオーバーが必要なアーセナルで、マルチロールの冨安は間違いなく貴重なのだが、先発メンバーに定着するには負傷の問題に向き合わざるを得ない。 もしかしたら、負傷を回避する意味でもCBが最適なのかもしれない。CBにも負傷のリスクはあるが、スプリントの回数が多いSBに比べると筋肉への負担は軽いからだ。マルチな冨安ではあるが、技術的な適性もCBではないかと思われる。 相手のパスをカットして、そのままワンタッチで味方へつなぐプレイができる。瞬間的に周囲の状況を把握できる眼の良さ、ワンタッチで確実につなぐ技術は、MFもできる冨安の特長だ。サリバとガブリエウは守備の堅さが素晴らしい半面、ビルドアップにそれほど特長のあるCBではない。チームのために抑制の効いたプレイ選択をしつつ、いざとなれば引き出しから何かを出せる。攻撃面での埋蔵量の多い冨安のCB起用はアーセナルにとってもプラスになるのではないか。 もちろん冨安のためにアーセナルがあるわけではないので、チーム事情が起用方法を決める。ただ、国内リーグとCLが佳境に入る2月以降はアーセナルにとって勝負どころ。そのときに冨安がどのような形で起用されるのかは、かなり重要な要素になりそうである。 電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)288号、12月15日配信の記事より転載
構成/ザ・ワールド編集部