女性経営者の困り事にネットワークづくり人気 りそな銀が始めた交流会に意外な効果
りそな銀行が取り組む、関西中小企業の女性経営者のネットワークづくりがひそかに人気だ。定期的に交流会を主催し、悩みや経営課題などを共有する場を提供。今後、参加者の募集範囲を西日本地域にも拡大することを検討しており「顧客の困り事の解決」(りそな銀の南和利副社長)を強化する。 2月に大阪市で開かれた交流会には、大阪府や兵庫県、奈良県に本社を置く経営者ら約40人が参加した。人材育成の専門家が、女性経営者・幹部に必要とされるリーダーシップ像などについて講演。5、6人のグループに分かれて自分がどう取り組めばいいか話し合った。りそなグループが用意している研修プログラムの情報も提供した。 きっかけは2023年6月ごろ、建築物の外装を手がける中小企業「ハマキャスト」(大阪市東淀川区)の浜中陽子社長(42)から「悩みや課題を共有できる場があるとありがたい」と銀行幹部が相談を受けたことがきっかけだった。1回目は大阪市内の一部地域の経営者を対象に開催。好評だったため、地域を広げて募集したところ、定員数にあっという間に達したという。
浜中さんは2019年、父親が突然倒れ、社長業を継ぐことになった。就任当初は戸惑うことも多く、新型コロナウイルス禍とも重なり「寂しさを感じることもあった」と振り返る。若い経営者を対象にした別のセミナーに参加した時に横のつながりができたことを思い出し「女性だけの会合ができたらいいな」と漠然と考えていた。 りそな銀の交流会に参加した際には、同じグループになった人たちと連絡先を交換し、時折、食事会を開催しているという。「従業員には話せない相談ができ、使っている化粧品の情報交換もしている」と笑顔で話す。 東京商工リサーチの2023年の調査によると、女性社長数は約61万人となり、調査を開始した2010年(約21万人)から約3倍に増えたものの、全社長数に占める割合は14.96%にとどまる。 りそな銀の南副社長は「顧客が抱えている困り事を解決できるよう、手伝うことが任務。異業種の同じ年代の経営者と交流する場は少ないと思う。今後もこういった場を設けたい」と意欲を示した。