冬ボーナス、プライム上場企業の平均は過去最高の83万円 増額企業は微減、「なし」微増
今年冬のボーナス(賞与・一時金)の支給額を増やす企業数は、前年よりわずかに減る見通しだ。帝国データバンクが6日公表した調査結果によると、「賞与はあり、増加する(した)」と回答した企業数は全体の23・0%で、前年から1・1ポイントの微減となった。一方、労務行政研究所の調査では、東証プライム市場に上場している企業のボーナス支給水準は、前年同期比3・4%増の83万5133円で過去最高額を更新。大手の伸びが際立つ結果となった。 【グラフ】平均年収の推移 ■運輸・倉庫業が高い伸び 帝国データが11月に全国2万6880社を対象に調査したところ、2024年の冬季賞与の従業員1人当たりの平均支給額を2年連続「増やす」と回答した企業は12・0%で、前年から1・7ポイント上昇した。業界別では、「金融」「建設」「製造」の3業界の割合が2年連続で増加した。また、運送業者の時間外労働が制限され、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面する「運輸・倉庫」が、8・4ポイント上昇し、唯一3割を超える高い伸びをみせた。 一方、「賞与はない」と回答した企業は前年比0・6ポイント増の12・8%。11月に繊維事業からの撤退を発表したユニチカに象徴されるように、「繊維・繊維製品・服飾品小売」は47・7%と突出して高く、ほぼ半数の企業が賞与を支給しない状況となっている。 ■自動車メーカーが突出 労務行政研究所が10月に公表した調査結果では、東証プライム上場企業の24年の冬ボーナスの妥結水準(83万5133円)は1970年の調査開始以来、過去最高額となった。産業分類別では、製造業が86万7759円、非製造業が71万641円だった。 また、業種別で妥結額が最も高かったのは、輸送用機器の94万807円で、そのうち自動車メーカーが102万9157円と業界全体を牽引した。次いで、鉄鋼が93万1513円、電気機器が92万1683円と続いた。 一方、商業が57万5481円、サービスが69万9985円、水産が70万2913円は平均を大きく下回っており、業種間の格差がはっきりする結果となった。
調査は3~9月に東証プライム上場企業(24年8月末現在で1644社)のうち、原則、労働組合が主要な産業別単一労働組合に加盟している企業を対象に実施。金額は183社、月数は182社から集計をとり、算出した。