魂の演技を見せる吉沢亮と横浜流星、渡辺謙!芸の道に人生を捧げる男を描く『国宝』予告映像公開
吉田修一の最高傑作との呼び声高い小説を映画化した『国宝』(2025年6月6日公開)。本作の予告とポスタービジュアルが初解禁された。 【写真を見る】横浜流星演じる半二郎の跡取り息子で名門の御曹司、俊介 任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公、喜久雄の50年を描いた壮大な一代記「国宝」。映像化不可能だと言われていた本作だが、吉沢亮が主演し、横浜流星との共演で映画化されることが発表されると、大きな反響を呼ぶこととなった。さらに、渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、森七菜、見上愛、永瀬正敏、宮澤エマ、黒川想矢、越山敬達、三浦貴大、嶋田久作ら豪華キャストが名を連ねている。 メガホンを取るのは、『フラガール』(06)で日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。初めて吉田修一作品に挑んだ『悪人』(10)は、第34回日本アカデミー賞13部門15賞受賞、最優秀賞主要5部門を受賞し、第35回報知映画賞作品賞、第84回キネマ旬報日本映画ベストテン第一位、第65回毎日映画コンクール日本映画大賞など国内のあらゆる映画賞を総なめにし、第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得る名作となった。 任侠出身の喜久雄(吉沢)は、15歳の時に父親を亡くし、天涯孤独となった。そんな喜久雄を家に引き取ったのは、喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主、花井半二郎(渡辺)だった。歌舞伎という新しい世界を知った喜久雄は、半二郎の跡取り息子で名門の御曹司、俊介(横浜)と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして、ともに芸を磨き、青春を捧げていく。 「代役は喜久雄で行く」という、事故で入院した半二郎から、喜久雄と俊介に突如告げられた思いがけない言葉が映しだされる予告編。看板役者である半二郎の当たり役の名作「曽根崎心中」のお初に選ばれたのは喜久雄だった。跡取り息子の俊介ではなく、血筋でない喜久雄を選ぶというのだ。その一言が2人の運命を揺るがし、周囲の人生をも翻弄していくことになる。 喜久雄と俊介の関係が壊れ始め、涙ながらに訴える俊介。その才能ゆえに周囲の人生をも翻弄していく喜久雄だが、それでも芸に身を捧げていこうとする。裏切り、失望、苦難、自暴と、2人を取り巻く周りの人物との関係が、音を立てて壊れ始めていく。それでもなお、喜久雄は全てを掛けて芸に挑み、頂点へと昇っていく。印象的なセリフとともに、歌舞伎という禁断の世界で、名もなき1人の少年が激動の50年を生き抜き、世界でただ一人の存在“国宝”となるまでの物語を感じさせる予告になっている。 あわせて、ポスタービジュアルも解禁。「その才能が、血筋を凌駕する」というキャッチコピーも印象的な、このビジュアルの撮影を担当したのは写真家の操上和美。クランクアップの翌日、喜久雄としての役がまだ抜けていないなかでの撮影になったという。喜久雄の、揺らぎのないまっすぐな目。その目の下には、正義や勇気を表す赤い紅隈を彷彿とさせる化粧が。なにかを心に決めたような、喜久雄の強い意志が感じられるビジュアルだ。 さらに、横浜、渡辺の劇中ソロビジュアルも到着。横浜演じる俊介は、幼い頃から将来を約束され、役者として順風満帆な人生を歩んできたが、こののち大きく運命が狂っていく。渡辺演じる半次郎は、優しくも鋭い眼差しをある物に向けるシーンを切り取った1枚となっている。 吉沢亮が魅せる、誰も見たことのない魂の演技と、激動の時代を生き抜き、運命に翻弄される登場人物たち。観るもの全てに感涙を呼び起こす、美しく熱い、日本映画の歴史を刻む1本となる『国宝』に乞うご期待。 文/平尾嘉浩