ソフトバンク・板東が変わる 今季1軍登板なし 来季の開幕ローテ入りを目指し、「神経学」を吸収中
“シン・板東”へ再起動中――。ソフトバンクの板東湧梧投手(28)が27日、みずほペイペイドームでトレーニングを行い、来季の巻き返しへ向けて意気込みを語った。今季はプロ1年目の19年以来の1軍登板なしに終わった右腕は、このオフに出力不足を解消するため「神経学」を吸収中。最先端科学を投球に生かし、来季7年目で初の開幕ローテーション入りを狙う。 来季7年目、29歳シーズンに臨む板東は復活へフルモデルチェンジの最中だ。 「シーズン後から体をゼロからつくり直しています。投球もウエートもやってたことを一回やめて、フラットにしてつくっています」 今季は初の開幕ローテーション入りを狙ったが、開幕から2軍暮らしが続いてシーズンが終了。入団した19年以来の1軍登板なしに終わった。「自分はスキル(技術)が理由と思って一点集中でやったけど、うまくいかなかった」。シーズン終了後は「来年投げるためにリセットさせてください」と10月のみやざきフェニックス・リーグ不参加を首脳陣に直訴。出力不足を解消するため、大阪で活動するトレーナーの寺沢佑太氏から最先端の神経学による指導を受けている。 他球団の選手も師事する寺沢氏の神経学的なアプローチを11月上旬から吸収し、「いい方向になって、感覚が良くなって、面白くもなった」。歩き方から力の伝達方法を学んだ。「一番やったのは重心の位置、姿勢を意識したウオーキング。以前までは四肢(両手両足)から動かしていた。ポイントは胸から動く。地面から力をもらうトレーニング」。その全てが来季の先発ローテーション入りへ向けた取り組みだ。 昨オフまで2年間は今季限りで引退した和田毅氏の自主トレに参加したが、今オフは卒業する。「勝負できず情けなかった。この時期があったから良くなったと証明するために状態を上げる。やるしかない」。今後も寺沢氏のもとでトレーニングに励む。 小久保監督は来季の先発陣について「有原、モイネロ、カーター(スチュワート)と先発はこの3枚が中心になる。最低7人はつくりたい。あと4枠を6、7人で争ってもらう」と既に明言している。ライバルは多いが、新たな試みに挑戦中の板東は「毎シーズン、開幕から目指している。もちろん狙います」と絶対に勝ち取る決意でいる。 (井上 満夫) ○…ソフトバンクの今季の開幕ローテーションは、有原、モイネロ、スチュワート、大関、東浜、大関、石川が担った。小久保監督は来季も先発7人体制で臨む方針。今季最多勝の有原、最優秀防御率のモイネロ、防御率1・95と安定していたスチュワートが3本柱となるが、残り4枠は激戦。和田毅氏が今季限りで現役引退し、国内FA権を行使した石川の去就が現時点では未定だが、それでも大関、大津、東浜、松本晴、前田純ら板東のライバルは多い。