7年で成婚300組、結婚支援の運営者は…
岡山県が運営する結婚支援システム「おかやま縁むすびネット」を通じて結婚したカップルが、10月に累計300組に到達した。マッチング開始から7年余りでの達成で、行政機関が運営する安心感が歓迎されているという。県は「結婚を希望する県民のニーズに応えていきたい」としている。(佃拓幸) 【グラフ】おかやま縁むすびネットのマッチングによる累計成婚数の推移
システムは少子化対策の一環で2017年5月に開設。同8月にマッチングを始めた。県内在住、在勤か、県内で結婚を希望する20歳以上の独身が対象。おかやま出会い・結婚サポートセンターの県内3か所の拠点を訪れて会員登録する。プロフィルを閲覧し、希望の相手が承諾すれば、「結びすと」と呼ばれるボランティアが同席の上で対面。お互いに気に入れば交際に進む。結びすとは、定期的に交際状況の確認などのフォローを行う。 会員登録時には戸籍抄本などで本人確認。プロフィルの書き方やデートの場所、服装、LINEのやり取りなどに関するアドバイスといった民間の結婚相談所のような手厚い支援はない分、費用負担は少なく、入会登録料1万円(2年間有効)は来年3月末まで無料としている。初回の対面時に結びすとの交通費などとして2000円がかかるのみで、成婚料なども必要ない。 会員数はコロナ禍で一時減少したが、23年4月から始めた登録料無料期間に約1000人増え、約2700人(10月末)に上る。30歳代が5割近くを占め、40代25%、20代15%が続く。今年度の成婚数は10月末までの7か月間で38組に上り、23年度の42組に迫っている。 同センターの上野和也センター長は「交際開始から結婚まで1年以内のカップルが大半。交際中は干渉せず、温かく見守るのがスタンス」と語る。 県によると、県内の婚姻数は23年が6781組で、戦後最低を記録した。ピーク時の1948年(2万1086組)の3割の水準。2010年以降は1万組を下回り続けている。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、県では23年、過去最低の1・32を記録。婚姻数の減少が少子化につながっているとされる。 20~49歳を対象とした23年度の県民意識調査では、未婚者で結婚を希望する人が男女ともに8割を超えた。男性の7割強、女性の6割が「交際相手がいない」と回答しており、結婚の希望が実現しない理由は「適当な相手に出会わない」がトップで、男女ともに5割前後だった。 県は利便性の向上に向けてシステムを改修し、来年度からオンラインでも会員登録ができるようにする。県子ども未来課の担当者は「おかやま縁むすびネットによる成婚数は想定を上回るペースで進んでいる。引き続き結婚を希望する県民に出会いの場を提供していきたい」と話している。