「日本の現代美術と世界 1989‒2010(仮称)」国立新美術館で開催へ。香港「M+」と共同企画
東京・六本木の国立新美術館が、香港の現代美術館「M+」(エムプラス)との初めての共同企画により、「日本の現代美術と世界 1989‒2010(仮称)」を開催する。会期は2025年9月3日~12月8日。 国立新美術は、香港西九龍文化地区(WKCD)で今年3月に開催された香港国際文化サミット 2024で香港の現代美術館M+(エムプラス)との国際連携に関する覚書に調印し、共同企画の開催が発表された。本展はその結果となるものだ。 「日本の現代美術と世界 1989‒2010(仮称)」は、その名の通り1989年から2010年までの約20年間に焦点をあて、日本の現代美術を振り返る展覧会。1989年は昭和が終わり平成元年を迎えた転換期だ。そこから東日本大震災が起きた2011年までのあいだに挟まれた20年は、冷戦の終結とともにグローバル化が進み、国内外を問わず、政治、経済、文化、市民生活が大きく変化した時代といえる。 国や地域の枠組みを超えて、国際交流を重ねながら変化してきた日本の現代美術の軌跡をたどる本展は、この時期を象徴する作品と、諸地域で醸成されたアートプロジェクトというふたつの軸が絡みあうように構成。国内外で活躍してきた日本人アーティストとともに海外のアーティストも取り上げるという。 日本の現代美術の姿を、文化的な対話と参加による、多様かつゆるやかなネットワークとして描きだすこの展覧会。日本の現代美術がいかに歴史的遺産やアイデンティティの多様性といった主題に取り組んできたか、いかに新しいコミュニティの可能性を模索してきたかを紹介するとともに、グローバル化が急激に進んだこの20年間に、日本の美術と視覚文化が世界に与えた影響を考察するものとなる。