「盗撮ユニクロ店長」は特殊な人間ではない…裁判所で明らかになった「盗撮犯たち」の飽くなき執念
■盗撮犯を恐喝する「盗撮ハンター」も存在する 7、盗撮犯を狙う恐喝犯「盗撮ハンター」 今やスマホは、手にくっついた高性能盗撮アイテムということができる。ミントのタブレットケース型とか自動車のキー型とか、巧妙な偽装カメラも普通に販売されている。盗撮カメラの極小化も進んでいる。 そして、ネットで簡単に盗撮画像が見られ、盗撮魔たちの匿名掲示板もあるという。刺激されてつい、あるいはスリルを求めて「自分も……」となる男たちが後を絶たない。 ゆえに、「盗撮ハンター」なる連中も存在する。盗撮犯を見つけ「あの女は俺の彼女だ。警察へ行くか、この場で示談か、どっちか選べ」などと言い、少なくとも数十万円の現金を脅し取るのである。盗撮犯が大手企業の社員で気が弱そうなら、さらにふっかける。そういう裁判も私は何件か傍聴した。 ある被告人(盗撮ハンター)は、盗撮犯を見つけるのは簡単だと述べた。ハンター自身、盗撮魔であり複数の前科があった。盗撮犯の心理が手に取るように分かるのだという。 女性諸氏よ、コンビニやカフェ、ハンバーガー店などの飲食店の男女共用トイレへ入ったら、まずは盗撮カメラを探してはいかがだろうか。女子トイレも安心とはいえない。 盗撮動画を商売にする者は、盗撮カメラを仕込んだ“お風呂セット”を女性に持たせ、女湯へ送り込むことがある。女性を使って女子トイレに盗撮カメラを仕掛けた事件を、私はまだ傍聴したことがないが、あり得ることだろうと思う。今はそういう時代なのだ。注意されたい。 ---------- 今井 亮一(いまい・りょういち) 交通ジャーナリスト 1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から裁判傍聴にも熱中。傍聴した裁判は1万1000事件を超えた(2024年6月現在)。 ----------
交通ジャーナリスト 今井 亮一