アグレッシブなドライビングで人気を博した「カーナンバー12」
【カルソニック スカイライン】 こうして4年間で2度の輝かしいタイトルを手にしたカルソニック・スカイラインは、その速さもさることながら、人気もライバルたちを圧倒していた。その要因となったのは、なんといっても星野のアグレッシブなドライビング。縁石を使って片輪を浮かせた走りは見る者を魅了し、今でも語り草となっているのだ。 【画像20枚】公称550ps以上だが、ブースト圧1.3㎏/㎠で約570ps、1.6㎏/㎠まで上げると600psオーバーと言われたRB26DETT型。そのパワーは他を寄せ付けなかった。ラジエーターはカルソニック製の大容量タイプ。手前に配置されているのはオイルクーラーだ ここに登場するカルソニック・スカイラインは、90年に「カーナンバー12」としてシリーズチャンピオンを獲得した個体だ。ニスモフェスティバルなどの各イベントで走行する機会も多いため、メンテナンスが各部まで行き届いており、実際にレースで活躍していたとは思えないほどコンディションは良い。 しかし、跳ね石で剥がれた塗装やボディについたラバーの跡、焼けたサイドマフラーなどを見れば、これまでの激しい戦いが必然と目に浮かんでくる。そしてなんといっても、チャンピオンカーのオーラが全身からみなぎっているのだ。 日本のレース界をけん引してきた元祖「日本一速い男」 1947年、静岡県で誕生した星野一義。もとはモトクロスライダーだったが、のちに4輪に転向。ハコスカGT-Rでレースデビューすると、その後は順調に結果を残す。76年にスポット参戦したF1日本GPでは、大雨のなか一時3位を走行する健闘を見せた。そして、その速さからいつしか「日本一速い男」と呼ばれるようになったのだ。 また、海外のレースにも参戦し、92年のデイトナ24時間では初出場にして優勝。98年のル・マン24時間では総合3位に入った。現在は「チームインパル」を率いて、スーパーGTやスーパーフォーミュラに参戦。立場は変わっても、そのアツいハートは健在だ。 カルソニック スカイライン 全長×全幅×全高(mm) 4545×1755×1340 ホイールベース(mm) 2615 トレッド前/後(mm) 1610/1530 車両重量(kg) 1250 エンジン型式 RB26DETT型 エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ 総排気量(cc) 2568 最高出力(ps/rpm) 550以上/7600 最大トルク(kg-m/rpm) 50.0以上/6000 タイヤ 265/700R18(前後とも) 初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部