「統一戦で井岡一翔にリベンジしたい」2.24両国で世界最速の4階級制覇を狙う田中恒成が激アツの覚悟を語る
対戦相手のバカセグアは28戦22勝(9KO)4敗2分けのWBO中南米同級王者。それほどパンチ力はないが、手数が多く、インファイトに持ち込まれてリズムに乗せると厄介な好戦的なボクサーだ。 田中も「好戦的で打ちだすと止まらない」と警戒しているが、井岡戦以降の進化、成長に自信がある。 「磨いてきたディフェンスを生かしながら、来たパンチへの反応というよりも相手の動きに反応して相手がパンチを打つ前に対応したい。打たせないことを心掛けて、相手を見て動きが読めれば、新しく手にいれたカウンターも入る」 この3年間でブラッシュアップしたのは、ディフェンスとカウンターのスキル。 今は専属トレーナーではなくなったが、父親とタッグを組んで築きあげてきた超攻撃的なスタイルを忘れず、そこに新しいスキルをプラスしたハイブリッドに進化した田中恒成で偉業に挑むことになる。 「これまで20戦中19試合は、世界ランカーと戦ってきた。これまでの相手と比較すると難しい相手じゃない。父親と築いた逃げない、下がらない、攻め続けるという気持ちも忘れていない。隙を逃さずにKOで4階級を制覇したい」 プロ21戦目での4階級制覇は、最終的に6階級制覇までいった“レジェンド”オスカー・デラホーヤ(米国)の持つ24戦目での達成を上回る世界最速記録となる。だが、田中は、その先を見ている。 「この階級の王者を全員倒すことを目標にしている。4階級制覇と4団体統一を目指している」 4つのベルトをまとめるためには、WBA世界同級王者の井岡が、再び立ちはだかることになる。 「井岡選手にリベンジしたい。(対戦の実現は)どうなるかはわからないが、3年前の自分との違いを見せるというよりも、負けているので純粋に勝ちたい」 あの試合の後に井岡にドーピング違反疑惑が持ち上がった。潔白が証明され、一連の不手際をJBCが謝罪するに至ったが、田中は、「僕が戦った井岡選手は本当に強かった。リスペクトしています。あの試合は僕が敗れはしたが、素晴らしいとしか思っていない」と、記憶に刻んでいる。 その思いがあるからこそ井岡へのリベンジに燃える。 大晦日に大田区総合体育館で同級6位のジョスベル・ぺレス(ベネズエラ)と防衛戦を戦う井岡のターゲットは、WBC世界同級王者、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)である。一度、決着をつけた田中との再戦は、よほどの戦うべき理由がない限り、実現はしないのかもしれない。だが、井岡とのリベンジ戦は田中のモチベーションのひとつ。負けを知った男は強くなって帰ってくる。 (文責・RONSPO編集部)
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