【AEDの使い方】子どもが目の前で心停止!その時あなたはAEDを使えますか?覚えておきたい人命救助4つのステップ
「スポ少ママパパ」は要注意!野球やサッカーでも心停止は起こっています!
そもそも、AEDを必要とするのはどんなケースなのでしょうか? 「AEDが必要になる“心停止”は、急性心筋梗塞や、強い圧迫、誤飲・溺れるなどの呼吸不全といった様々な原因で発生します。 例えば子どもの場合、野球やサッカー、バスケットなどの球技の際に、ボールが胸部に強くあたることで“心室細動”が発生し、それだけで、心停止を起こすことがあります。これは身体が未発達な子どもだけでなく、大人の場合でも同様です。 また、野球でバットが胸にあたるなど、ボール以外の原因で心停止が起きるケースも発生しています。 ですから、特にスポーツをやっているお子さんやご家族、コーチの方にとって、AEDの使用方法や救命活動についての知識を持っておくのは、とても大切なことだと思います」 さらにスポーツ以外でも、日常生活のふとした瞬間にも心停止が起こる可能性は潜んでいます。 「例えばお子さんですと、 ・お風呂でおぼれる ・重度の熱中症 ・車で事故が起こった際にシートベルトやチャイルドシートを装着していない といったシチュエーションでも、心停止になる危険性があります」
救命活動は個人ではなくチームで!まずは助けを呼ぶこと
心停止が起きたとき、命を救えるかどうかは時間との勝負。でもいざ、目の前で人が倒れたり、そういう現場に遭遇した場合、「これは心停止?」「AEDが必要な状態?」といった判断ができるのか……不安になってしまいます。 「救命活動は個人ではなく、チームで行うのが基本です。実際にそういったケースに遭遇した場合、近くに人がいる環境なら、まずは周囲に助けを求めましょう。あわせて119番への通報を。119番では電話口から指示を仰ぐこともできます。 周囲に助けを求めたら、医療関係者の人がいるかもしれませんし、力になってくれる人がいれば、“個人戦”ではなく“チーム戦”になります」 ひとりだと対応に躊躇しますが、たしかに周りの人と協力すれば行動できそうです。 小関さんに教えていただいた救助の手順がこちら。いざというときに実践できるよう、しっかり頭に入れておきたいですね。 【人命救助のステップ】 1:倒れている人も、自分も、安全な場所を確保する / 周囲に人がいれば声をかけ、チームを作る 2:「119番」通報 / AEDを探す →AEDの場所は、駅や大きなビルなどのほか、携帯アプリ(日本全国AEDマップ)でも探せる。 3:心臓マッサージ(胸骨圧迫)をなるべく早くスタート →胸やおなかの動きを見て呼吸がない場合、すぐに心臓マッサージをスタート、AEDが届くまで続ける。(呼吸があるか判断がつかない場合も、心臓マッサージを開始してよい。) 心臓マッサージ:胸が約5㎝沈む程度の強さで、1秒に2回弱ほどのテンポ(1分間に100回~120回のテンポ)で押し続ける。「アンパンマンのマーチ」と同じくらいの速さ。 (※技術と意思があれば人工呼吸も。その際は、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回を交互に繰り返す。) 4:AEDが届いたら電源を入れ音声ガイドの指示どおりに →電気を流す必要があるかどうかは、AEDが倒れている人の心電図を解析して判断してくれるので、「本当は必要ないのに“間違えて”使ってしまったら?」という心配は不要です。 ちなみに、AEDは対象が子どもでも使えるのでしょうか? 「はい、使えます。未就学児には付属されている未就学児用パッドや未就学児用モードを使用します。 切り換えがない機種の場合、小学生~大人用パッドを使用してください。その場合は、2枚のパッドが触れ合うことがないように注意が必要です」 女性の応急手当を男性が行うことに抵抗感がある……という意見もあります。 「命を左右する状況なので、とにかく1秒でも早く応急手当をすることが最優先です。AEDについても、適切に使わないと、助けられるはずの命も救えなくなってしまいます。 ただ、AEDのパッドは胸の素肌に貼るので、周囲に女性がいれば代わってもらったり、人目にさらされないようにするなど、(スピードを優先しつつ)可能な範囲で心遣いをしたいところです。そういった意味でも、周囲に声をかけチームで対応したいですね」