キノコは1時間ほど干してから食べると骨が丈夫になる
農家の妻であり、管理栄養士でもある五月女めぐみさんが、野菜の栄養素などを解説し、それらを効率よくとるのにぴったりな簡単&おいしい料理を提案する『やさいの時間』の連載「野菜好きのための栄養学」。今回は、12・1月号のキノコ特集に関連して、キノコの栄養学を踏まえたキノコ料理をめぐみさんに教えてもらいました。 * * * 「うちではキノコを料理する前に、必ずしていることがあります。石づきを取り除き、ほぐしたキノコを天日で干すようにしています」 なぜわざわざ干す必要があるのか? 「キノコには、紫外線を浴びると骨の健康に不可欠とされる、ビタミンDに変わるエルゴステロールという成分が含まれています。料理する前に、1時間ほどキノコを日光に当てるとビタミンDを多くとることができます」 キノコはそれぞれ香りや食感が異なるため、いろいろなキノコを組み合わせたほうがおいしく食べられる。今回、めぐみさんはシイタケ、マイタケ、シメジで「焼きキノコのチーズご飯」と「米粉とキノコのクリームスープ」を作った。 「2品ともキノコに焼き色がつくまで炒めるのがコツ。キノコには、うまみ成分のグアニル酸が含まれています。加熱することでグアニル酸と香り成分が増え、よりおいしくなります」
キノコのここがスゴイ
●紫外線を浴びるとビタミンD(骨を健康に保つ成分)に変わるエルゴステロールを含んでいる。 ●三大うまみ成分の一つ、グアニル酸を含んでいる。 ●免疫力を高めるとされるβ-グルカン(食物繊維の一種)を含んでいる。特にシイタケとマイタケには豊富。 五月女めぐみ(さおとめ・めぐみ) 千葉県印西市で、化学肥料・化学農薬不使用の農業に取り組む夫の知弘さんをサポートしながら、収穫した野菜をピクルスやソースなどに加工・販売する体験型農園&加工所「Inzai Kitchen」を運営している。 『やさいの時間』2023年12月・2024年1月号「野菜好きのための栄養学」第5回 キノコ&カブより