オードリー・ヘップバーン着用ジュエリーにまつわる”噂”ー貸し出した「英国王室を揺るがす人物」とは
1957年に公開されたミュージカル映画『パリの恋人(原題:Funny Face)』には、主役の「ジョー」を演じるオードリー・ヘップバーンが、鮮やかな赤のロングドレスと同色のシフォンのストールをまとい、ルーブル美術館の階段を降りてくるシーンがあります。 【写真】ロイヤルから銀幕スターまで!セレブの懐かしゲレンデショット50連発 そのドレスは、1993年に彼女が亡くなるまで親交があったデザイナー、ユベール・ド・ジバンシィ氏が手掛けたものですが、このときオードリーが身に着けていた豪華なエメラルドのネックレスについては、“噂”にとどまっていることがあるそうです。
メーガン・フリードランダー氏の新著、『Audrey Hepburn in Paris』によると、このエメラルドのネックレスは、『パリの恋人』の衣装担当者が、あのウォリス・シンプソン夫人から借用したものだったとか。 最初にそのネックレスを見て、このシーンの「ジョー」のあでやかな衣装にぴったりだと考えたのは、アメリカのファッション雑誌編集者、ダイアナ・ヴリーランド氏だったといいます。 そして、レプリカを作成する許可をもらえるかと尋ねたところ、イギリス王室から遠ざけられていたウィンザー公爵(元イギリス国王エドワード8世)の夫人は寛大にも、そのネックレスを1日、貸し出すことを許してくれたそうです。 著者によると、このエピソードが紹介されているのは、1957年に発行されたブラジルの雑誌。オードリーの大ファンで、「ファッションについては何でも知っている」というブラジル出身の友人の男性が所有する数々のヴィンテージのブラジルのファッション誌のなかに、この件について説明する記事が掲載されているといいます。
公爵夫人がエメラルドをこよなく愛し、この宝石を使ったいくつものネックレスを所有していたことは、よく知られています。ウィンザー公爵から贈られた婚約指輪にも、エメラルドが使われていました。 いっぽう、夫人が映画のために貸し出したのが、所有するもののうちどのネックレスだったのかについては、いまだ確認が取れていません。さらに、借用したとみられているネックレスには、噂として伝えられていることがあるそうです。 王室関連の情報を紹介するウェブサイト、 『ロイヤル・ウォッチャー』 によると、そのネックレスはもともと、インド・バローダのマハラニ、シーター・デーヴィー妃が所有していた一対のアンクレットだった可能性があるとのこと。 ハリー・ウィンストンに売却された後、作り直されたというそのネックレスには、カボションのペアシェイプのエメラルド52粒と、ローズカットのダイヤモンド28粒が使用されています。 そして、スペインの宝飾品の専門家、パブロ・ミルスタイン氏のブログサイト『Medium』への投稿によると、ウィンザー公爵夫人は(彼女の“宿敵”と噂されていた)マハラニから、「そのネックレスは以前、自分の足首に着けられていたものだ」と聞かされたことを受け、それを手放すことを決意したのだとか。 夫人はそのネックレスをハリー・ウィンストンに返品し、代わりに48.95カラットのペアシェイプのエメラルドを購入したといいます。それは、かつてスペインの国王アルフォンソ13世が所有。1931年に亡命した後に、売却したとされるものでした。 公爵夫人は晩年まで、カルティエのネックレスを愛用していました。そこにセットされていたのが、このとき入手したエメラルドだったとみられています。
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