iPad超えの特大画面!新型タブレット「Galaxy S10 Ultra」価格相応の魅力は感じづらそう
iPad超えには程遠い、Androidタブレットの「使い道ない」問題
本機はOne UI 6.1というAndroiベースのカスタムOSを搭載していますが、タブレットとしての最適化が依然不十分。これはAndroidタブレットが持つ長年の課題であり、主にビジネス用途で浸透しない最大のネックポイントでもあります。 ほとんどのアプリはスマートフォン用のUIを横長or縦長に無理やり拡張して表示しているため、ボタンを押すにも一苦労、大画面を十分に活かせていないです。もちろんGoogle純正アプリや「Notion」などの一部アプリはタブレット用に最適化されていますが、絶対数が少ない。何もサムスンが悪いわけじゃないんです。 サムスンもそうした現状は認識しているようで、アプリをウィンドウ表示にしてパソコンのように使えたり、画像のドラッグアンドドロップに対応したり、最大3つのアプリを同時に表示できたりと、生産性を高める工夫がされています。また、ブラウザはPC表示ができますので、ウェブサイトの表示が崩れるといった問題は心配いりません。 ただ、文書作成などのビジネス用途を考えると、ノートパソコンの代替としての利用は非現実的。専用アクセサリとして純正キーボードケースも販売されていますが、2万円台の下位モデルはトラックパッドが非搭載。トラックパッドを必要とする場合は、一般的なノートパソコンのような風貌にもなる49,610円の上位モデルが必要となります。サムスンは今年よりAI機能群「Galaxy AI」を推しており、とても便利ですが、もちろんそれらの活用も…なんとも言えません。 一方のiPadはタブレット専用OS「iPad OS」を搭載。スマホ向けiOSからの分離を行ったことで、Macのようなデスクトップ表示ができる、マルチタスクが可能などである程度ビジネスやクリエイティブにも対応しています。こちらも完璧からは遠いとの意見もありますが、Androidほどではない印象です。 S10 Ultraは、前半で紹介した通りエンターテイメント用途やスタイラスペンを使って創作活動をする人など、大画面環境を求めるAndroidユーザーにとっては非常に魅力的な一台です。しかし、高価格の過度な期待ら禁物です。Androidの制約を十分に理解した上で判断したほうが良いほか、もし「もう少し画面小さくていい」場合はひとつ下のモデル「Galaxy Tab S10+」も検討してみてください。 ※初稿時、アクセサリに関する表記に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
市井