織田信成 涙の4位「表彰台は全然考えていなかった」 来年1月国スポが最後の現役
「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、東和薬品ラクタブドーム) 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位で2010年バンクーバー五輪代表の織田信成(37)=大阪スケート倶楽部=がフリー150・15点、合計234・68点で4位に入った。冒頭の4回転トーループは転倒したが、以降のジャンプはすべて着氷。割れるような拍手に深々とお辞儀して締めくくった。 【写真】会場総立ちに感極まる!SP後に号泣する織田信成 試合後は「拍手が力になった。感謝の気持ちを御礼に込めた」と感謝を口にすると、涙で声を震わせた。あと一歩で表彰台を逃す結果だったが「表彰台は全然考えていなかった。今の選手と比べると4回転の数も足りないし、それ以外にも足りない部分はたくさんあって、争うというより自分の限界を超えたい気持ちで滑った」と全力を出し切ったことに満足感を漂わせた。 前回の引退前の11年前に滑った全日本選手権も4位だったことを明かし「まさか同じ位置にいるなんて、と信じられない気持ち。若い選手たちと戦うことができて、フリーも最終組で11年ぶりに味わうヒリヒリした緊張感の中で滑らせてもらい、いろんな経験ができた」と振り返った。 「体が限界なので」と、選手としては来年1月に岡山県で行われる国民スポーツ大会が最後になる。「スケートは大好きなのでアイスショーに呼んでいただければ滑りたいし、日本の景気もフィギュアスケートを始めるのが大変だと思う。スケートを知らない人たちに楽しさを伝える活動をしたい」と、観客を魅了した実力をスケート界に還元していく。