紅白戦を終え、佐藤輝（左）に声をかける藤川監督（カメラ・谷口　健二）

　阪神・藤川球児監督（４４）が３日、がい旋フィーバーを巻き起こした。高知・安芸での秋季キャンプでは近年最多となる６３００人が来場。多くの激励を受けた球団初の高知県出身監督は「本当にありがたい。高知のみなさんも喜んでいただけただろうし、選手も刺激になった。阪神のコンテンツ力は歴代の方がつないできたもの。大切にしなければ」と言葉をかみ締めた。 　３連休の中日。連日の雨から一転、天候にも恵まれて人であふれかえった。午前７時半に駐車場が満車になり、サイン会の抽選券も１０００枚が同９時過ぎに配布終了。球場の左翼席まで開放され、球団関係者は「秋季キャンプで記憶ない」と驚いた。「地元高知を盛り上げたい」と口にしていた球児監督の願いがかなった。 　紅白戦で育成助っ人右腕の成長も垣間見た。来日１年目のベタンセスが１回無失点で自己最速１６１キロを計測。球団本部付ＳＡ時代に１月のドミニカ入団テストで獲得に携わった原石だ。「安芸市最速かも」とほほ笑み、「球団と２軍投手コーチがうまく育ててきた。可能性は十分」と支配下登録の昇格候補として期待した。 　メジャー流起用の２番・佐藤輝は１安打１四球。実績組の左腕・伊藤将も２回完全投球の快投を見せるなど、初実戦は結果以上の内容に収穫が多かった。ちなみに、敗戦チームの罰走の階段ダッシュは引き分けで全選手が餌食に。「痛み分けで、すごい楽しい」と指揮官。汗を流す若手に虎党からの大きな拍手、声援はやまなかった。（小松　真也） 　◆ホセ・ベタンセス（Ｊｏｓｅ　Ｂｅｔａｎｃｅｓ）１９９９年１０月１７日、ドミニカ共和国生まれ。２５歳。１７年に米アストロズと契約。２１年に１Ａで初登板し、３年間でマイナー通算１０７試合に登板し、５勝１１敗、防御率７・２０。米独立リーグを経て、今年１月にドミニカで開催した入団テストに合格し、育成契約で阪神入団。１８３センチ、１０２キロ。右投右打。 　〇…阪神・藤川監督が秋季キャンプ地で報道陣に粋な差し入れだ。「少しでも楽しんでもらえたら」と、高知市内に店舗を構える「居酒屋駱駝（らくだ）」が提供する「土佐勝男（かつお）飯」が約１６０食、振る舞われた。高知特産のかつおとみょうが使用された一品。関係者は「『勝つ』と『かつお』をかけました。球児監督に、ぜひ優勝してしてもらいたいので」と期待を込めた。