欧州新車販売、10月は横ばい-ハイブリッド好調でトヨタに追い風
(ブルームバーグ): 欧州の新車販売台数は10月、前年同月比でほぼ横ばいとなった。フォード・モーターやフォルクスワーゲン(VW)などの大手メーカーは需要低迷に対応するため、コスト削減を推し進めている。
欧州自動車工業会(ACEA)が21日に発表した10月の新車登録台数は前年同月比0.1%増の104万台。欧州最大の自動車市場であるドイツで増加したものの、フランスとイタリア、英国での減少で相殺された形だ。
自動車メーカー各社は欧州での販売拡大に苦戦している。欧州では生活費の高騰で家計が圧迫されており、電気自動車(EV)への移行もスムーズに進んでいない。フォードは20日、欧州で4000人を追加削減する計画を発表。VWはドイツ国内の工場を初めて閉鎖する計画を含め、経費削減策を進めている。
10月のEV販売は6.9%増加したものの、EV購入支援の縮小が響き年初来ではなおマイナスとなっている。ただ英国ではゼロエミッション車規制によりメーカーが大幅な値引き販売を行っており、10月のEV販売は24%増と突出している。
政府のEV支援策が昨年廃止されたドイツでは10月のEV販売台数は4.9%減となった。年初来では25%強減少している。ポルシェとメルセデス・ベンツ・グループはプラグインモデルの勢いが予想を下回っているとして、EVに関する計画を後退させている。
欧州でのEV低迷により、VWやステランティス、ルノーなどのメーカーが来年施行予定のより厳しい排ガス規制を満たせずに多額の罰金を科されるリスクが高まっている。
消費者はEVの代わりにハイブリッド車に注目しており、トヨタ自動車などに追い風となっている。10月のハイブリッド車の新車販売は16%増加した。
VWの10月の新車販売は13%増加。一方、ステランティスは17%減となった。
原題:Europe Car Sales Stagnate as Electric Vehicle Weakness Persists(抜粋)