【オーストラリア】5大都市圏の集合住宅販売、過去4年で25%増
オーストラリアの5大都市圏で2024年5月までの1年間の集合住宅の販売件数が10万6,994件となり、4年前の20年同期から24.6%増加したことが不動産情報会社REAグループ傘下の調査会社プロップトラックの調べで分かった。一戸建ての価格中央値は100万豪ドル(約1億620万円)超えを続けており、手が届かないと感じる所得層が集合住宅の購入に殺到している。オーストラリアンなどが伝えた。 24年同期の集合住宅販売件数のうち、シドニーは3万9,027件と最多で、20年同期比は24.9%増。メルボルンが3万1,965件(6.3%増)で続いた。5大都市圏の20年の集合住宅販売件数は、合わせて8万5,588件だった。 プロップトラックの上級エコノミスト、エレノア・クレイ氏は集合住宅の取引増加について、新型コロナウイルスの感染流行で一戸建て価格と集合住宅の価格が開き、その後も差が大きく縮まっていないことが要因だと説明した。ただ22年に限れば、高金利下で取引が減った中、住宅価格が全体的に下がったことで一戸建て住宅と集合住宅の差がやや縮まったと指摘した。 ■借り手が住宅購入可、退職年金大手が出資 スーパーアニュエーション(退職年金)の産業ファンド最大手オーストラリアン・スーパーは、メルボルンのケンジントンで進められている1,400戸の集合住宅開発に5億豪ドルを投資する。借り手が最大5年間住み続けた後、住宅を買い取れるようにする計画。オーストラリアン・スーパーは、住宅保有を後押ししたい考えだ。