英就業者数、100万人過少評価の可能性 シンクタンクが指摘
William Schomberg [ロンドン 20日 ロイター] - 英シンクタンクのレゾリューション財団は20日、英国の公式労働統計が就業者数を約100万人過少評価している可能性があり、イングランド銀行(英中央銀行)が金利をどの程度のペースで引き下げるべきかの判断を難しくしていると指摘した。 レゾリューション財団のチーフエコノミストであるアダム・コーレット氏は「公式統計はパンデミック以降の英国の労働市場で何が起きたかを誤って伝えており、労働市場について過度に悲観的な見方を描くことで政策立案者を困惑させている」と語った。 英統計局は、コロナ禍以降、調査の回答を得るのに苦慮している。中銀のベイリー総裁は公式データの状況を嘆き、先週「重大な問題」だと指摘した。 レゾリューション財団は、統計局が2019年以降の就労者数の増加を93万人過小評価している可能性があると指摘した。税務署のデータなど独自データを使用して出した推計値に基づくと、雇用率は23年にコロナ禍前の水準まで上昇し、その後24年には19年と同等になると予測している。 スターマー首相は雇用率を80%まで引き上げることを目指しているが、レゾリューション財団は信頼できる統計の欠如が政策決定を難しくしていると指摘する。