世界が注目する美女ケイリー・スピーニーとは?“エルヴィスの元妻役”も話題に「エイリアン」最新作では“戦うヒロイン”を体現
1979年に公開され、大ヒットを記録した映画「エイリアン」。リドリー・スコット監督が生み出したその作品の世界観は斬新で、その後のSF作品に多大な影響を及ぼした。そんな「エイリアン」の“その後の物語”が描かれた映画「エイリアン:ロムルス」が9月6日から公開中だ。監督は「ドント・ブリーズ」(2016年)のフェデ・アルバレスが務め、製作としてスコットが携わっている。人生の行き場を失った6人の若者たちが“生きる希望”を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション「ロムルス」。しかし、彼らを待っていたのは恐怖という名の絶望だった。これまでの「エイリアン」シリーズで強くかっこいいヒロインを演じてきたシガニー・ウィーバーに続き、新ヒロインとして本作の主演に抜てきされ、世界的に注目を集めた美女がケイリー・スピーニーだ。この機会に、俳優スピーニーのこれまでの活動を振り返ってみよう。 【写真】世界的ハイブランドのジュエリーをまとうケイリー・スピーニー、大人っぽい表情 ■「パシフィック・リム:アップライジング」のヒロインに スピーニーは、1998年7月24日生まれ、アメリカ・スプリングフィールド出身の26歳。「スプリング・フィールド・リトル・シアター」で演技を学んだ後、2018年に映画「パシフィック・リム:アップライジング」に出演した。2013年公開に公開されたギレルモ・デル・トロ監督作「パシフィック・リム」の続編で、巨大生物“KAIJU”と人型巨大兵器“イェーガー”との戦いが描かれている。日本人の新田真剣佑、菊地凛子も出演した同作で、スピーニーは孤児の少女アマーラ・ナマーニを演じている。 怪獣の最初の襲撃で両親を亡くし、イェーガーの部品を集めて小型のイェーガー“スクラッパー”を自作。ジェイク・ペントコストとの出会いをきっかけに、環太平洋防衛軍にパイロット候補生として加わった。この作品への出演で注目される存在になった。 同じく2018年、クリス・ヘムズワースやダコタ・ジョンソンらが出演する映画「ホテル・エルロワイヤル」にも出演。1969年のカリフォルニア州とネバダ州の境に立つホテル・エルロワイヤルを舞台にしたサスペンス作品で、スピーニーは女性客ローズ・サマースプリングを演じ、しっかりと存在感を示している。同年「ビリーブ 未来への大逆転」という作品にも出演している。のちにアメリカ合衆国最高判事となったルース・ベイダー・ギンズバーグが、史上初の男女平等裁判に挑んだ実話を元にした作品で、スピーニーは主人公ルース(フェリシティ・ジョーンズ)の娘・ジェーンを演じた。2019年公開の「バイス」は、第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・ブッシュの下で副大統領を務めたディック・チェイニーを描いた映画で、チェイニーの妻・リンの17歳当時をスピーニーが演じた。 ■エルヴィス・プレスリーの元妻を好演して話題に コロナ禍の2021年に配信された「ザ・クラフト:レガシー」はスピーニーの主演作。母親が再婚し、リリー(スピーニー)は再婚相手の家に引っ越した。転校先でクラスメートにからかわれ、不快な思いをしたが、その直後にそのクラスメートは何者か分からない力でロッカーにたたきつけられてしまう。実は、リリーには潜在的な魔力があって、それに目をつけた3人のクラスメートがリリーに声をかけた。4人の高校生が魔女集団を結成するカルト映画で、1996年公開の「ザ・クラフト」のリブート作品でもある。 スピーニーが一躍脚光を浴びることになったのが、2024年4月公開の映画「プリシラ」。エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラの回想録「私のエルヴィス」を基に、「ヴァージン・スーサイズ」「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラ監督が映画化。スピーニーはプリシラを見事に演じ切り、「第80回ヴェネツィア国際映画祭」で女優賞を獲得した。プリシラのジェットコースターのような波乱万丈の生活を表現する中で、スピーニーの俳優としての演技・表現の幅も広がっていった。 そして公開中の「エイリアン・ロムルス」では、主人公のレインを演じている。今作の舞台となるのは、地球から遠く離れた宇宙。人生の行き場を失った6人の若者たちは、生きる希望を求めて宇宙ステーション“ロムルス”へと足を踏み入れる。そこで彼らを待っていたのは、寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化を遂げるエイリアンだった。6人の若者が閉ざされた宇宙ステーションから無事に脱出できるのか…。過去作よりも生々しさを増したエイリアンがうごめく姿や、指を腐らせ鉄をも溶かす強烈な酸性のエイリアンの血液、突然訪れる不穏な静寂、そして無重力で逃げる術を失う若者たちの姿は、見る者を絶望の淵へと陥れていく。 スピーニーは作品ごとに新たな一面を見せてくれていて、この作品での“戦うヒロイン”としてのアクションや繊細な演技にも驚かされ、思わず引きつけられてしまう。10月には「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の公開も控えており、今後ますます目が離せない存在となりそうだ。 なお、「エイリアン」シリーズ過去作はディズニープラスで配信中。 ◆文=田中隆信