【中国】再生エネへの移行に全力、政府が指導意見
中国政府は、再生可能エネルギーへの移行を全力で進める方針だ。太陽光発電や風力発電といった再生エネ設備の設置を増やして供給を高めるほか、再生エネを支えるインフラ建設も進め、脱炭素の実現を目指す。 中国国家発展改革委員会(発改委)、国家エネルギー局など中央6部門が10月30日、従来の化石燃料から再生エネへの切り替えを促す指導意見を発表した。 再生エネの供給増加に向けて、砂漠地帯などで大型の風力・太陽光発電所の建設を急ぐほか、再生エネ資源の評価、効率予測などの改善に取り組む。各地域に再生エネを送る送電網も増強する。 都市計画に再生エネの優先利用を盛り込み、新しく建設する建物は環境負荷に配慮した「グリーンビルディング」の基準に対応させるほか、ライフサイクル全体で排出する二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンビル」も増やす。既存の建物の屋上に太陽光発電設備を設置し、工場や公共施設を新たに建設する場合には太陽光発電システムをできるだけ導入するよう促す。 農村部では、風力・太陽光のほかに、農林業廃棄物や家畜のふんを使ったバイオマス発電を広げていく。 国家エネルギー局によると、今年1~9月に全国で新設された再生エネの発電設備容量は2億1,000万キロワットで、新設全体の86%を占めた。風力・太陽光は合わせて2億キロワット以上を占めた。 風力・太陽光による1~9月の発電量は26.3%増の1兆3,490億キロワット時で、再生エネ全体(2兆5,100億キロワット時)の54%だった。風力・太陽光の発電量は同期の第3次産業の消費電力(1兆3,953億キロワット時)とほぼ同水準で、家庭の消費電力(1兆1,721億キロワット時)を超えた。