X(旧Twitter)は右寄りの投稿を多く表示する傾向がある…それはイーロン・マスクの差し金なのか?(海外)
X(旧ツイッター)は共和党や右寄りのアカウントのコンテンツを表示する傾向が強いようだ。 この事実はワシントン・ポストとウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された新しい調査による結論だ。 これは、Xユーザーが望んでいるからだろうか、それともトランプ支持者のイーロン・マスクがユーザーに見せたいからなのだろうか。 我々の多くが今でもツイッター(Twitter)と呼ぶXは、共和党員や右派のアカウントからの政治的な投稿をユーザーに示す可能性が高いのだろうか。 おそらくそうだ。 それは2024年10月28日にワシントン・ポスト(Washington Post)とウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)に掲載された2つの異なる詳細な調査からの結論だ。 では次の質問。Xは、所有者であるイーロン・マスク(Elon Musk)の命令で意図的にこれを行っているのだろうか。 この問題は回答するのは難しい。 アメリカ大統領選挙まであと1週間という状況を考えると、どちらの質問もかなり重要だ。Xはマスクの経営下で経営難に陥っているが、何百万人もの人々にとって、重要なニュースハブであることには変わりはない。 一方、かつては民主党を支持していたマスクはドナルド・トランプ(Donald Trump)の選挙運動に全面的に協力している。マスクはトランプが負ければ「民主主義は終わる」と話している。 ウォール・ストリート・ジャーナルもワシントン・ポストも、マスクの政治的立場とXの運営を直接関係を結びつけようとはしていない。だがいくつかの間接的なつながりを示唆するものは確かにある。筆者はXにコメントを求めた。 詳細は以下の通りだ。両紙ともに、ユーザーがXで何を見ているかを分析するためにソフトウェアを使用した。ワシントン・ポストは、主要議会アカウントからの1年以上のポストを調査し、ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカ各地にボットによって制御される14の新しいXのアカウントを作成した。 あらゆる立場の議会関係者の投稿は、1年前に比べて注目度が低下している。しかし、共和党のXは、民主党のXよりも拡散する可能性が高いというのがワシントン・ポストの結論だ。 ウォール・ストリート・ジャーナルの調査結果は、ワシントン・ポストの調査結果とは必ずしも一致していない。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、政治に「興味がない」と答えたXアカウントを持たないユーザーのフィード(タイムライン)には、政治関連の投稿や情報で埋め尽くされていることを発見した。また同紙は、カマラ・ハリス(Kamala Harris)のキャンペーンが最も多くの人に見られたのにも関わらず、Xには全体的な傾向として右寄りのコンテンツやアカウントがより多く表示されていたとしている。 「最も多く閲覧された上位の14アカウントのうち10アカウントは、トランプのアカウントも含まる右寄りのものであり、全体として、トランプを支持するコンテンツは、ハリスを支持するコンテンツの約2倍の頻度で表示された」 右寄りにシフトした理由は何だろうか。どちらの新聞の報告も明確には言及していないが、2つの可能性がどちらもあり得ることに焦点を当てている。 仮説1:Xはユーザーが見たいものを表示している この仮説はマスク自身が主張していることであり、その裏には一定の論理がある。まず、マスクがツイッターを買収する前から、研究者らは「政治的右派は政治的左派のコンテンツに比べてより多くの注目を集め、広がりやすい」ことを知っていた。 また、マスクがXのオーナーになってから左寄りのユーザーの一部が離れてしまったのは、トランプを含む右寄りのユーザーのアカウントをマスクが復活させたためだと考えられる。また保守派のユーザーが同じ理由でXに集まっている可能性もある。 そうしたユーザーは右寄りのコンテンツにより多く関与する可能性が高いため、サイトのアルゴリズムがより多くのコンテンツを表示するようになる。これは一般的にすべてのソーシャルメディアサイトが人気のあるコンテンツを扱う方法と同じだ。 仮説2:Xはマスクがユーザーに見せたいコンテンツを表示している こちらの仮説は、一部の現・元Xユーザーに支持する人がいる考えだが、事実であるという直接的な証拠はない。しかし、マスクは過去にも気まぐれでプラットフォームを何度も変更してきた前例が多くあるので、そうする可能性は十分にある。 最も有名な例として、2023年のスーパーボウルの後、マスクは自身のポストを強調するようエンジニアに指示したとプラットフォーマー(Platformer)のゾーイ・シファー(Zoë Schiffer)が報じている。
Peter Kafka